おっちょこちょいのかよちゃん
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106 クリスマス・イブの乱
前書き
《前回》
かよ子の隣の家に住むおばさんの三女・さりが赤軍と召喚してきた異世界の人間に襲撃される。さりはかよ子や三河口など、清水に住む人達に護符を利用して助けを求め、かよ子達は名古屋へと瞬間移動する!!
かよ子達は名古屋の地にいた。
「ここは名古屋ね」
「しゅ、瞬間移動したの!?」
かよ子は驚きでいっぱいだった。
「そうね、さりちゃんの護符の能力ね」
その時、すぐそばに隣のおばさんがいた。
「あら、まきちゃんにかよちゃん」
「お、おばさん!?」
「私も娘の声が聞こえて黒い穴を通って来たんよ。これも護符の能力ね」
そして次々と人が現る。まる子も、冬田も、ブー太郎も、山口も、川村も、ヤス太郎も、濃藤兄妹も、長山も、そして大野や杉山姉弟、三河口や奏子もいた。
「皆も、来てたの!?」
「ああ、さりちゃんの声が聞こえて、黒い穴が現れたんだ。その穴に入ればさりちゃんに会えるかもしれないって思ったんだよ」
三河口が説明した。その時だった。
「皆!?来てくれたのね!!」
護符の所有者が近づいた。
「さりちゃん、大丈夫ですか!?」
三河口は従姉を心配した。
「うん・・・。でも、赤軍も異世界の敵もいるわ!」
「何だって!?」
「ほう、援軍を呼んだか」
皆は声の方向を向いた。
「誰だ、お前は!?」
山口が聞く。
「俺か?日本赤軍の岡本公三だ!」
「岡本公三!?確か、二年前のテルアビブ空港で無差別に民間人を殺したクズの分際か!」
三河口はそう罵倒した。
「口を慎め、無礼な奴め!」
岡本はどこから出したのか木の葉の嵐を巻き起こし、皆を攻撃しようとする。
「来る・・・!」
すみ子は銃を発砲した。見えない膜で皆を岡本の攻撃から守った。
「ナイスだ、すみ子!」
川村が褒める。
「なら、バーシム、行け!」
「バーシム!?あの大雨の日に出やがった奴か!」
杉山は振り向いた。後ろにバーシムがいる。
「天よ、我に仕事を与えよ!」
破壊された建物の瓦礫が皆を襲う。
(皆を安全な場所に!)
さりはそう願うと、護符が皆を別の場所へ移動させた。
「やってくれるな、テルアビブの時のように暴れる気か!」
三河口は怒りに燃える。
「暴れる?黙れ、クソガキが!」
「行くぜ、組織『次郎長』!」
「うん!」
「了解だブー!」
組織「次郎長」の四人は力の石を取り出した。
「また、あの石か!」
バーシムは清水の七夕豪雨の時にその石を確認している。
「お前ら、二度も同じ手は使わんぞ!」
「気を付けて、バーシムの他にもサラーハって男を取れてきているわよ」
「サラーハ!?」
かよ子は見回す。そして別の男を見つけた。きっとその男がサラーハであると気づいた。
「お前ら檻の中に入れてやる!」
サラーハは両手を上げると、急にかよ子達は檻に囲まれた。
「どうしよう・・・!?」
「俺がやる!」
濃藤は三穂津姫から貰った運命の剣を振りかざす。檻は壊れた。
「濃藤、その刀は?」
「ああ、三穂津姫から貰ったんだ。自分や相手の運命を決める剣なんだ」
「そうか」
「お兄ちゃん、凄い・・・!!」
かよ子は感心した。
「分かれて戦ったほうがいいな」
「ほう、まあいい。杖も護符もあるならこっちは一石二鳥だぜ!」
「さ、させないよ・・・!!」
かよ子はおっちょこちょいをしないようにと気を付けた。
「さりちゃん、かよちゃん、奏子ちゃん、俺、長山君、冬田さんで岡本を相手にしよう!『次郎長』の皆とまるちゃんのお姉さん、杉山君のお姉さんでバーシムを、『義元』の皆と濃藤、北勢田でサラーハを相手だ!」
「ええ!?私、大野君と戦いたあい!」
冬田が異議を唱えた。
「こんな時に我儘言ってんじゃねえ!俺と来い!!」
「嫌だあ!!」
冬田は泣き喚いた。
「健ちゃん、行かせてあげたら?」
叔母が進言する。
「仕方ありませんね、勝手にしろ!ただし、大野君達の足引っ張んなよ!」
「はあい!」
冬田は泣き止むと急に嬉しくなった。
「かよちゃん、羽根を出して飛んでくれ!」
「うん!」
かよ子は羽根を出して飛んだ。
「長山君は何か道具を貰ったのかい?」
「うん、この神通力の眼鏡を貰ったんだ!」
「よし、それを使ってくれ!」
「うん!」
長山は岡本の攻撃を見通した。そして植物を出して使う攻撃、だが、かよ子の杖やさりの護符の攻撃が通用せず、怖気させる事も読み取った。
「お兄さん、相手は何か攻撃が通用しないみたい」
「何!?」
「俺の攻撃なめんなよ」
岡本が攻撃してくる。尖った木の枝を出して攻撃してくる。
「かよ子、あの枝に杖を向けるのよ」
「うん!」
かよ子は本の内容を思い出した。
【木の枝、針、棘などに杖を向けると針を発射する能力を得られる】
かよ子は木の枝に杖を向ける。そして三河口が前に出て武装の能力で無効化する。奏子も羽衣で防ぐ。そしてかよ子は杖を木の枝に向ける。
「行け、針!」
かよ子は針を岡本に向けた。だが、撥ね返された。
「ハハハ、そんな物が聞くか!」
「ど、どうして・・・!?」
「お前もまさか、武装の能力を・・・!!」
「はあ、お前、文化祭で西川と義昭に利用されたのに気づいてないのか?」
「何!?」
三河口は思い出した。確か札幌に住むありが東京にいる杯の所持者の援護に行った時、そこで戦った赤軍の人間は自分の能力を複製した機械を使ってありとその旦那を苦しめたとか。
(あの文化祭で西川達はどさくさに紛れて俺の能力を複製したのか!!)
三河口はこうなったらと思い、玉砕覚悟で岡本に飛び込んだ。
「てめえ!!」
一方、バーシムと対峙している杉山達は石を駆使しようとする。冬田は飛んできた。
「あ、貴方はあ!」
冬田は忘れもしない。大雨の時に自分の羽根を奪おうとした男だった。
「あの時はよくもお!」
冬田は怒りに燃えた。大野は草の石で草を操り、杉山は雷の石で放電し、ブー太郎は水の石で水を噴射、まる子は炎の石で火炎放射した。
「私も加勢するわ!」
「私も!」
まる子の姉・さくらさきこ、杉山の姉・杉山もと子も石松から貰った道具を使用する。
「邪魔な者は消す!天よ、我に仕事を与えよ!」
バーシムは唱えた。その時、さきこの持つ緑色の宝石が光った。
「何!?」
バーシムの攻撃が聞かなかった。
「このエメラルドみたいな宝石で私達を守ったのよ!」
そして、赤い宝石が光る。
「このルビーが私達に勝つ可能性を高めてくれるのよ!」
「ナイスだ!さくらのお姉さん!」
「私も行くわ!」
杉山の姉・杉山もと子も石松から貰った玉を出す。
「はあああ!!」
玉が橙色に光った。橙色の光線が発射し、バーシムに襲いかかる。
「兄貴を殺させるかよ!」
手榴弾のような物が飛んできてもと子の攻撃がその手榴弾と相打ちに終わる。ヘリコプターが上空に見えた。
「弟よ、来ていたか!」
「ちい、あいつもいたのか!」
大雨の日に現れた赤軍の一人、奥平純三も来ていた。
一方、組織「義元」と濃藤、北勢田はサラーハと対峙していた。
「ふっ飛ばしてやるぜ!」
川村はバズーカを出すと共に発砲し、サラーハを吹き飛ばす。
「させるかよ!」
サラーハは一瞬でコンクリートの壁を造り出した。
「どうやらあいつの能力は建物を咄嗟に造り出す能力のようだな」
「なら、俺がやってやる!」
北勢田は三穂津姫から貰った電脳の刃を振りかざす。その時、大砲が発射した。その大砲は発砲する。だが、普通の大砲と異なり、砲弾ではなく光線を発射した。サラーハの造り出したコンクリートが一瞬で溶けた。
「何だ、こいつ!?」
「北勢田、俺も行くぜ!」
北勢田と濃藤はサラーハの所へ飛び込んだ。
「お前は裁きを受けろ!」
濃藤は運命の剣を振り、北勢田は電脳の刃を振りかざした。
「うわあああ!!」
サラーハは濃藤と北勢田の攻撃で苦しむ。
「俺は、もう一度、死ぬのか・・・」
サラーハは光となって消滅した。
「サラーハ!」
別の相手と戦っているバーシムは戦友の消滅に悲嘆した。
三河口は決死の覚悟で岡本に飛び込む。
「お兄ちゃん、無茶しないで!」
かよ子が叫んだ。
「俺はお前と同じ能力を使えるんだぜ。舐めてんだろ」
岡本は威圧感を三河口に突き付けた。
「なら、俺も!!」
三河口もまた岡本に威圧感を与える。だが、両者とも一歩も引かない。
「同じ能力同志だと正常に聞かないのかしら・・・?」
かよ子の母は気になった。
「おら、俺の能力はこれだけじゃねえぞ!マリア様よ!」
岡本は誰かを呼ぶように叫んだ。そこには修道女のような女性が現れた。
「なんだ、あれは!?聖母マリア!?」
後書き
次回は・・・
「邪悪なるマリア」
バーシムや岡本、奥平との戦闘を続けるかよ子達。だがそこに、岡本が召喚した聖母マリアがかよ子達をを襲う。どんな攻撃も防御も通用しないマリアに誰も全く対処できず・・・。
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