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おっちょこちょいのかよちゃん

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107 邪悪なるマリア

 
前書き
《前回》
 さりの護符の能力(ちから)で護符の争奪戦の現場となっていた名古屋へと瞬間移動したかよ子達。そこには赤軍メンバー・岡本公三(おかもとこうぞう)に大雨の時に襲って来た男・バーシム、そして異世界から召喚されたサラーハがさりの護符を狙っていた。冬田達はバーシムと、すみ子達はサラーハと、そしてかよ子達は岡本と交戦する。御穂津姫から授けられた道具を手にした濃藤と北勢田の活躍でサラーハは撃破するも、バーシムに赤軍の構成員・奥平純三が加勢し、更にはかよ子達が相手している岡本は聖母マリアの霊を出現させた!! 

 
 バーシムは奥平の加勢によって守られた。しかし、サラーハを失ってしまった。
「よくも・・・。天よ、我に仕事を与えよ!!」
 バーシムは炎の玉のような物を出し、組織「義元」、濃藤、北勢田に襲い掛かる。
「させないわよ!」
 さきこの琥珀色の宝石が光り出す。炎の玉はまる子の姉に吸い寄せられた。
「お姉ちゃん!」
「馬鹿め、自滅する気か?」
 だが、その火の玉はさきこに近づいた所でまたバーシムと奥平を襲う。
「げっ、俺達の方へ来た!」
 バーシムはイチかバチかの策に出た。
「天よ、我に仕事を与えよ!」
 バーシムは己と奥平の身を守った。
「ちっ、しぶてえ奴だな!」
 杉山はそう思うと、また雷の石を使う。
「貴様ら、これでお陀仏にしてやる!」
 奥平が杉山達に手榴弾を投げつけた。更に、咄嗟に爆竹に点火して投げた。
「あ、あぶねえ!」
「皆・・・!!」
 すみ子が銃を放つ。皆を防ぐような囲いを出して奥平の攻撃を防いだ。だが、付近の建物が炎上する。
「く、オイラが消すブー!」
 ブー太郎は水の石を使って放水し、周りの炎を消火する。
「オイラも手伝うでやんす!」
 安太郎も協力し、パチンコで水玉を飛ばし、消火した。
「そうだわ!」
 さきこは黄色の宝石の力を利用する。バーシムが皆に倒される所だけは予知できた。そして紫色の宝石の力を使って心を落ち着かせた。もと子もまた、玉を使用する。
「あのバーシムってのはきっと倒せるわ!」
「自然の力よ!」
 まる子の姉、そして杉山の姉が動く。杉山の姉は炎と水の力を利用してバーシムに、さきこは琥珀の力で杉山の姉の玉の能力(ちから)を一部引き寄せ、強化させた。そして、まる子の姉のルビーの宝石が光る。
「て、天よ、我に仕事を・・・」
「言わせねえよ!」
 濃藤の剣がバーシムの呪文を封じた。今度は奥平が爆竹を投げる。北勢田が刃を振るって機械の鳥を出し、機械の鳥は爆竹を加えてしまう。爆竹はその場で消滅した。
「俺達もやるぞ!」
 大野が草の石を、杉山が雷の石を、まる子が炎の石を使う。さきこのサファイアの宝石の力でバーシムを倒すチャンスが高められる。
「うわああ・・・!!」
 バーシムは過剰ともいうべき様々な攻撃を受け、光となった。
「大野君、凄おい!」
 冬田は褒めた。
(お前、何もしてねえだろ・・・)
 大野は突っ込んだ。
「あ、兄貴・・・!!」
「あとはお前だ、大人しく降参しろ!」
 その時、すみ子が別の胸騒ぎを覚えた。北勢田や杉山も。かよ子達の方向を見た。
「な、何あれ・・・!?」
 そこには強大な修道女のような人物がいた。

 かよ子はその場でシスターのような女性が現れたのを見た。
「な、何、この人!?」
 かよ子は驚いて羽根から落ちそうになった。
「呼んだのは貴方様ですね」
 女性は喋った。
「ええ、マリア様。私に力をこの邪悪な者どもに裁きを与えてくださいませ!」
「よろしいでしょう」
「お前ら、乙女マリア様の裁きを喰らうのだ!!」
「乙女マリア様・・・!?」
 かよ子には分からなかった。すみ子が銃で皆を守ろうとする。
「そんな手が通用するかよ!」
 すみ子の守りはマリアには通用しなかった。
(この人はキリスト教徒なの!?それとも・・・)
 かよ子には知る由もなかった。岡本は高校時代、熊本にあるキリスト教の高校を出ているのである。聖母マリアを召喚する能力を会得したのだった。マリアが皆に襲い掛かる。だが、三河口、さり、山口や川村、大野、杉山、そしてかよ子も武装の能力(ちから)が作用され、攻撃を防いだ。
「てめえ、マリア様をこんな悪事に利用するとは、全てのキリスト教徒を敵に回してんのと同じだぞ!」
 三河口が非難する。
「そんな事言ったって俺の操るマリア様は俺を正義と見てくれているのだ!」
「やるな、岡本!」
「ほらほら、俺の方に構ってていいのかな?」
 皆は反対側の奥平が次の手榴弾を投げている所が見えた。だが・・・。
「させるか!」
 誰かが手榴弾を粉々にした。
「い、石松!来てくれたの!?」
 かよ子は石松の参上に驚いた。
「ああ、三穂津姫の命令でな」
「マリア様、もう一度裁きを!」
 岡本がマリアに命じる。
「畏まりました」
 マリアの攻撃が来る。そして岡本が植物を急に生やした蔓が伸び、かよ子達を封じようとする。
(このままじゃ、やられる!)
 さりが護符の能力(ちから)を行使する。蔓が一瞬で凍り付いた。
「私も手伝います!」
 奏子も羽衣を振り回して風を起こし、蔓を薙ぎ払って消滅させた。
「く・・・、だが、これで無効化させてやる!純三、お前も使え!」
「ああ!!」
 岡本は機械の能力(ちから)で威圧の能力(ちから)を使う。奥平もすみ子やさりなどが動けなくなる。だが、かよ子や三河口などは防御に特化した武装の能力(ちから)が発動されて何とかなったがあのマリアを打ち破るにはどうすればいいのか、策が見つからない。石松も簡単に行っては返り討ちにされると見てすぐには動けなかった。奏子はエレーヌの羽衣を使う。羽衣はマリアを巻き付けたが、すぐに外されてしまった。その時・・・。
「エク・カムイ!」
 別の声の叫び声がした。別の人間が来て、マリアを襲った。
「な、何ですか!?」
「あれは・・・!?」
 そして、急にマリアが苦しみだす。
「あああ・・・!!」
 マリアが消えた。
「さり、健ちゃん、皆、大丈夫!?」
「そ、その声は・・・!!」
 かよ子は応援が来たのかと思うと、少し安堵した。三河口やさりも、さりの母、かよ子の母も聞き覚えがある。
「な、何だ、お前らは!!」
 そこには女性が三人、男性が一人いた。
「遅くなってごめんね」
「貴方が出したそのマリアを出す能力(ちから)はこの私の妹が封印させたわ」 
「あの人達は・・・!!」
 かよ子はどこかで見た事があるようなないような気がした。
「妹や従弟、母さん達をよくも苦しめてくれたわね!」
 女性三人の正体は、さりの二人の姉、かつ三河口の従姉でもある祝津ゆり、煮雪ありとその夫、煮雪悠一、そしてゆりの隣の家に住む女子高生、鷺森光江だった。 
 

 
後書き
次回は・・・
「羽柴家の三姉妹」
 戦いの現場にさりの姉・ゆりとあり、ありの夫に神戸の女子高生も現れ、形勢はかよ子達の方に傾いた。しかし、羽柴家の三姉妹が集結すると共に、また別の人間が・・・!? 
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