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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十八話 クリスマスのはじまりその十二

「ですから義和様もです」
「健康診断はですね」
「定期的にです」
「受けるべきですね」
「八条グループは幸い全社員受けることになっています」
「八条家の人間もでしたね」
「はい、ですから」
 このことが決まっているからだというのだ。
「是非です」
「そちらも受けて」
「そしてです」
「いつもチェックすることですね」
「そして問題があれば」
 それを引っ掛かるという。
「そこを気をつけてです」
「なおしていくべきですね」
「そうしていけばです」
「より健康になれますね」
「健康はちょっとしたことで崩れますが」
 それでもというのだ。
「そうしてチェックしていけばです」
「問題なくですね」
「いけますので」
 それ故にというのだ。
「宜しくお願いします」
「そうしていきます」
 僕も約束した。
「その様に」
「健康診断もまた長生きに必要です」
「定期的なチェックですね」
「それも、では」
「はい、これからはですね」
「そちらもお願いします」
「学校で受けていますし」
 それにだ。
「大学でも就職しても」
「そうされて下さい」
「八条家でもしていますし」
 有り難いことにだ。
「やっていきます」
「ではその様に」
「それで長生きすることですね」
「金婚式を迎える為には。そうでなくても長生きはです」
「することですね」
「それがいいです、悲しい思い辛い思いもしますが」
 生きていればそれだけで色々とある、仏教の愛別離苦という言葉は人間の一生で絶対にあることだ。
「しかしそれ以上にです」
「いいことがありますか」
「人それぞれの感じ方にもよりますが」
「生きているといいことがあって」
「長く生きるとです」
 それだけというのだ。
「いいことがあります」
「そうですね」
「ですから」
「人間は長く生きることですね」
「それがいいです」
「そうですか」
「この世で最もわからないものは人生ですが」
 それでもというのだ。
「長く生きることがまずです」
「沢山の幸せを経験する為に必要ですね」
「そうです、短くても充実した人生もありますが」
「モーツァルトなんかそうですか」
「彼はそうですね」
「僅か三十五年の人生ですが」
 三島由紀夫は天才は夭折するものと考えていたらしいがモーツァルトこその最たる人ではないだろうか。
「数多くの名曲を残していますね」
「子供の頃から作曲をしていましたので」
「それで色々とありましたね」
 その三十五年の人生でだ。
「そう思いますと」
「短い人生でも充実している場合もあります」
「そうですね」
「ですが長く生きていますと」
「尚更ですね」
「私はモーツァルトが長生きする姿を想像出来ませんが」
「あの人はそうですね」
 僕もだ、というかあの残した名曲の数から本当に僅か三十五年の人生だったのかと思う位だ。というか作曲した曲全てが名曲と言われているから凄い。 
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