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八条学園騒動記

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第五百九十二話 一日の売り上げその十

「人もね」
「置けないか」
「そういうことにもお金かかるから」
 外交のことにもというのだ、世の中で金のかからないで済むことなぞそうそうなく外交もそれは同じなのだ。
「お金も人手もない小国だと」
「連合の中で手が一杯か」
「それで大使館っていっても一軒家で」
「流石にアパートの一室を借りてとかはないか」
「流石に大使館だからね」
 そうした場所だからだというのだ。
「どの国もそうみたいだよ」
「アパートの一室とかじゃないか」
「そしてそこに資格不問で面接で即採用した人をね」
 人選もその程度だというのだ。
「大使はいるということで」
「サハラに送るんだな」
「後はもう大使館に入ってもらって」 
 その一軒家だ。
「数年一人暮らしをね」
「そうてもらうんだな」
「そうみたいだよ」
「凄いものがあるな」
「それでお仕事は?」
 ビアンカはロミオにその内容について聞いた。
「何か殆どなさそうだけれど」
「時々本国から頼まれてネットで情報集めて記事をメールで送るとか」
「そんなのなの」
「基本何もね」 
 これといって、というのだ。
「しないみたいだよ」
「大使館にいるだけなの」
「実質引き籠りでもね」 
 それでもというのだ。
「いいみたいだよ」
「いい加減ね」
「まあお給料は払って」
 それでというのだ。
「家事は現地で雇った人がしてくれてね」
「そうした人は雇えるのね」
「だって外交官の人を大勢送ってる訳じゃないから」
 それなりの大きさの施設も用意してだ。
「一軒家のお掃除なら一人位だね」
「それでなの」
「もうね」
 それこそというのだ。
「何でもないみたいだよ、それで危なくなったら」
「退避ね」
「みたいだよ、まあそうした国はサハラに大使館一個しか置いてないから」
 勿論領事館等もない。
「それもハサンの安全な場所にね」
「置いていたからなの」
「基本安全みたいだよ、今もそこにあってね」
 旧ハサン領にというのだ、もうハサン王国は滅亡して領土はオムダーマンとティムールによって分割されている。
「お留守番しているらしいよ」
「大使館の人達が」
「そうみたいだよ」
「そうなのね」
「アラビア語喋れなくても」
 まさに資格は一切不問だということだ。
「それで学歴とか職歴もね」
「問われないのね」
「年齢もね」
 これもというのだ。
「十八歳以上ならね」
「いいのね」
「本当にね」
「一切何もなのね」
「問われないみたいだよ」
「実質そうなのね」
「もういるだけでいいっていうね」
 そうしたというのだ。 
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