| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百九十七話 終業式が終わってその三

「そうした人もいたんだ」
「愛人さん持ってる人がいたんだ」
「普通にな」
「そうだったんだね」
「それが普通でな」
 それでというのだ。
「俳優さんもな」
「遊ぶのは芸の肥やしだったんだ」
「女の人とのそれがな」
「そうだったんだね」
「松方弘樹さんが最後だな」
「お酒に女の人で遊ぶ人は」
「あの人もそれでスキャンダルになっただろ」
 その松方弘樹さんもというのだ。
「奥さんと別れて」
「愛人さんが出来てね」
「その前に隠し子の話もあったしな」
「その時も問題になったんだよね」
「それで今は誰もな」
「そうした話が出たら離婚で」
「それで消えるんだよ」
 そうなるというのだ。
「一発でな、だから俺みたいなタイプはな」
「今は少ないね」
「残念なことだろ」
「うん、ただ親父はこのままだね」
「ずっとそうして生きていくつもりだよ」
 お酒に女の人で遊んでというのだ。
「死ぬまでな」
「そうしていくんだね」
「ああ、それでも母さんはな」
 浮気ばかりしていてもというのだ。
「大事にしているつもりだからな」
「そこは守るんだね」
「家庭を持ってるならな」
「大事にしないと駄目だね」
「仕事ばかりで家を顧みない人っているだろ」
「いるね、世の中には」
「俺はそういうのは寂しいって思ってるからな」
 だからだというのだ。
「仕事は仕事でな」
「家庭もだね」
「どっちも全力でしないとな」
「駄目なんだね」
「そして遊びもな」
 これもというのだ。
「もうな」
「全力でなんだ」
「やってるんだよ」
「真剣に遊んでるんだ」
「そうだよ、遊びってのは真剣にやるものでな」 
 それでというのだ。
「そこから学ぶ取るものを学び取るんだよ」
「親父って真面目な遊び人なんだね」
「ああ、人間ふざけることもな」
「真剣にふざけるべきなんだね」
「傾くんだよ」
 この言葉も出してきた。
「要するにな」
「傾奇者だね」
「織田信長さんみたいにな」
「あの人も傾いていたしね」
 若い時の奇矯な振る舞いはまさにそれだった、あれはうつけではなく傾奇者として生きていたのだ。
「それもかなり」
「あそこまで真剣にだ」
「傾いたらいいんだね」
「俺はそう思うからな」
 それでというのだ。
「これからもな」
「仕事に家庭にだね」
「遊びにな」 
 この三つにというのだ。
「全力でやっていくからな、それでクリスマスはな」
「お袋とだね」
「楽しく暮らすな、しかしな」
「しかし?」
「イタリアも寒いな」
 親父は僕に笑ってこうも言ってきた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧