八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九十七話 終業式が終わってその四
「随分とな」
「暖かいイメージ強いけれどね」
「しかし冬はむしろ日本よりも寒いからな」
「そうなんだね」
「そりゃドイツやイギリスよりは暖かいさ」
こうした国々は実は緯度はかなりのものだ、だから冬は相当に厳しい。フランスにしてもパリは宗谷岬より北にある。
「けれどな」
「冬は寒いんだね」
「正直厳しいぜ」
その寒さはというのだ。
「お前もイタリアに来たら覚悟しておけよ」
「そうしておくね」
「だから冬のオリンピックもやるんだよ」
「トリノだね」
「あれはいいオリンピックだったな」
親父は笑って話した。
「俺は長野もよかったけれどな」
「ああ、日本の」
「開会式もな」
「慎ましい感じだったね」
今映像で見るとだ。
「もっと派手にしてもよかったかな」
「そうか?奇麗でな」
「いい開会式だったんだ」
「点火の時の伊藤みどりさんもな」
「開会式の最後の」
「よかったからな」
それでというのだ。
「俺としてはな」
「最高だったんだ」
「ああ、文句つける奴もいたけれどな」
「いたんだ」
「文句言う為に生きてる様な奴もいるだろ」
世の中にはというのだ。
「言ってれば自分が批判出来るとか違いがわかるとか思えてな」
「偉いとか頭いいとかだね」
「勘違いする奴もいるだろ」
「世の中にはね」
「実際は文句ばかりだとな」
そればかり言う人はというのだ。
「恰好悪いけれどな」
「文句言う前に動けだね」
「本当の恰好良さはな」
それはというのだ。
「そんなこと言わないでな」
「動くことだね」
「ああ、それで文句言う奴はいてな」
そうした格好悪い人はというのだ。
「あの開会式にもな」
「言ってたんだ」
「ああだこうだ言ってその伊藤みどりさんもな」
この人もというのだ。
「天照大神だってな」
「それ悪いの?」
「皇国史観とか言ってな」
「いや、関係ないよね」
「天照大神でもだよな」
「そう見えてもね」
僕にも確かにそう見えた、あの時の伊藤みどりさんは。
「それの何が悪いか」
「だからあれだよ」
「あれっていうと」
「皇室が嫌いでな、理想の国家は共産主義っていうな」
「そうした人の意見なんだ」
「だからあの開会式にも色々文句つけて」
そしてというのだ。
「そうしたこともな」
「言ってたんだ」
「文句をな、ちなみにそれは週刊金何とかの読者欄だよ」
「あの雑誌?」
「知ってるよな」
「無茶苦茶左の雑誌じゃない」
何でもかんでも買っていけないとか言って本当に文句それもとんでもなく的外れなそればかり言ってる雑誌だ。
「あの雑誌って」
「その読者欄でな」
「そんなこと言ってたんだ」
「ああ、けれど俺はそんなの読んでもな」
「何とも思わなかったんだ」
「言ったろ、文句言う為に生きてる様な人もいるんだ」
世の中にはというのだ。
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