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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十七話 終業式が終わってその二

「よく親父の浮気許してるね」
「母さんは浮気しないしな」
「それでよくね」
「俺のそうしたことはわかってくれててな」
「それでなんだ」
「一緒にいてくれる、こんな人もな」
 お袋みたいな人もというのだ。
「世の中にはな」
「いるんだ」
「そうなんだよ」
「稀有な人だね」
 僕は心から思った。
「そうした人って」
「ああ、実際にな」
「滅多にいないよね」
「母さんみたいな人はな」
「普通親父みたいな人はね」
 お酒に女の人、その二つでいつも遊んでいる人はだ。
「まずね」
「結婚は無理だな」
「結婚しても」 
 それでもだ。
「まずね」
「離婚だな」
「すぐにね」
 そうなることが目に見えている。
「昔の俳優さんじゃないんだから」
「昔はそんな人もいたけれどな」
「お酒に女の人でだね」
「芝居を離れたら遊んでな」
 そうしてというのだ。
「芸の肥やしだっていうな」
「そうした人もだね」
「いたな」
「そうだったね」
「けれどな」
「今はだね」
「そんな人はな」
 それこそというのだ。
「すぐにな」
「離婚だね」
「それで世間からは袋叩きだよ」
 マスコミからもネットからもだ。
「それで俳優としてもな」
「終わりだね」
「そうなるな」
「今はね」
「時代は変わったな」
「昔はそれが普通だったんだね」
「俳優なり作家なりな」
 こうした人達はというのだ。
「普通に遊んで愛人もいたりな」
「してたんだ」
「政治家だってそうだろ」
 今度はこの人達の話をしてきた。
「伊藤博文さんなんか凄かっただろ」
「あの人は有名だね」
「ああ、本当に酒池肉林でな」
 それでというのだ。
「毎日若い芸者さんと遊んでいたんだよ」
「英雄色を好むで」
「俺の理想の人だよ」
「親父の方が凄いよ」
 僕が見る限りだ。
「正直言って」
「そうか?」
「うん、親父は桁が違うよ」
「そこまで凄いか」
「かなりね、まあとにかくあの人は凄かったね」
「そっちでも話題の人だったからな」
「今じゃああして遊んでいたら」
 女遊びの限りを尽くしているとだ。
「失脚してたね」
「どんな優秀な人でもな」
「そうだよね」
「この人に限らず昔は政治家もな」
「お妾さんいたりしたね」
「企業家でもな、大体昭和五十年代位までな」
 その頃まではというのだ。 
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