八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九十七話 終業式が終わってその一
第二百九十七話 終業式が終わって
ホームルームが終わって終業式に出るとだった。
それもあっさりと終わった、もう部活もなくて僕はその足で八条荘に帰った。そして帰るとだった。
お昼ご飯を頂いてから書斎で明日のデートのことをチェックした、予約も大丈夫だったし天気も問題なかった。
時間や行く場所や順番もチェックしてだ、僕は書斎を後にしようとしたが。
ここで携帯が鳴ったので番号を確認すると親父からだった、それで電話を取って親父に対して言った。
「どうしたの?」
「ああ、明日予定あるだろ」
「あるか?じゃないんだ」
「ああ、やっぱりあるんだな」
親父は楽しそうに言ってきた。
「それは何よりだ」
「随分嬉しそうだね」
「当たり前だろ、息子のクリスマスが充実していたらな」
「親としてはなんだ」
「有り難いことだぜ、幸せならな」
それならというのだ。
「本当にな」
「それでだね」
「ああ、じゃあ楽しめよ」
「クリスマスを」
「そうしろよ、けれどよくわかったね」
僕は親父に問い返した。
「今のやりとりで」
「あるだろって俺が言ってか」
「僕があるか?じゃないんだって言っただけで」
「それでよくわかったね」
「なかったらないよ、ってすぐに返すだろ」
親父は僕に笑ってこうも言った。
「そうだろ」
「そんなものなんだ」
「ああ、人間のやり取りのパターンでな」
「そうなんだ」
「こうした時はあるだろって言うとな」
そう言うと、というのだ。
「相手はないとな」
「ないってすぐに答えるんだ」
「そしてあったらな」
今の僕の様にというのだ。
「そう言うんだよ」
「あるか?じゃないんだって」
「それかあるってな」
「答えるんだ」
「そうだよ、ここであるか?だと嘘を言う場合もあるんだよ」
そのケースもあるというのだ。
「見栄張ってな」
「見栄だね」
「その場合もあるからな」
「こうした時はなんだ」
「こう問うたらな」
それでというのだ。
「わかりやすいんだよ」
「そうなんだね」
「ああ、それでな」
親父はさらに言ってきた。
「俺は俺でな」
「クリスマス楽しむんだね」
「そうしてくるな」
こう僕に言ってきた。
「母さんとな」
「お袋となんだ」
「今日は違うけれどな」
「また遊んでくるんだ」
「ああ」
悪びれず隠しもしない返事だった。
「そうしてくるな」
「相変わらず遊んでるんだね」
「それが俺だろ」
「まあね、しかしお袋もね」
再会したお袋のことも言った。
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