八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百九十六話 クリスマス前日その四
「企業も成長したら」
「アメリカに買収されるんだ」
「片っ端から」
「それは大変だね」
「そんな中でも頑張ってますから」
だからだというのだ。
「宜しくお願いしますね」
「切実なんだね」
「はい、アイスワインお願いします」
「それとシロップかな」
「そちらもお願いします」
メイプルシロップもというのだ。
「是非」
「カナダの国旗にもなっているしね」
「楓の葉ですね」
「あれからシロップが採れるからね」
「はい、もうメイプルシロップは」
まさにというのだ。
「カナダ人の命の源です」
「そこまでなんだね」
「もうこれがないとですよ」
「どうにもならないんだ」
「はい」
それだけのものだというのだ。
「本当に」
「じゃあパンケーキには」
「欠かせないですね」
「やっぱりそうなるね」
「他のお菓子にもです」
メイプルシロップはというのだ。
「欠かせないです」
「使う機会があれば」
「使います」
「そこまでなんだね」
「そのメイプルシロップもです」
「宜しくだね」
「そうです、しかし」
キートン君はこうも言った。
「実際カナダって地味ですね」
「そのことは否定出来ないんだ」
「国も広くて自然が豊かで」
「産業も発展しているしね」
「はい、それでも」
見るべきところはあるのに、そうした言葉だった。
「目立たないんですよね」
「赤毛のアンの舞台なのにね」
「はい、あれカナダが舞台ですから」
「カナダの人が書いたね」
「モンゴメリーは誇りです」
カナダのそれだというのだ。
「それと赤毛のアンって続編ありますから」
「何作も出てるよね」
「アンが大人になっても続いています」
赤毛のアンはアンの少女時代のお話だ、ギルバートと結婚してそして娘さんが生まれてその娘さんの物語もあるのだ。
「ずっと」
「そうなんだよね」
「先輩そのことご存知なんですね」
「うん、一応ね」
「一応ですか」
「赤毛のアンは読んだけれど」
それでもだ。
「そこからはね」
「読んでないですか」
「まだね」
「じゃあ読んで下さい、面白いですよ」
「続編の方もだね」
「アンの娘リラまで」
その娘さんの物語だ。
「そうしてくれたら嬉しいです」
「カナダ人としても」
「はい、ただアメリカのお話と思う人が」
「いるんだ」
「物凄く嫌なことに」
「ここでもアメリカなんだね」
「とにかく目立つんで」
アメリカという国はというのだ。
「ですから」
「赤毛のアンについても」
「そう思われてます」
「日本で言うと源氏物語が中国の作品って言われる様なものかな」
「言われたことないですね」
「他のお話もね」
平家物語とかもだ。
ページ上へ戻る