八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九十六話 クリスマス前日その三
「クリスマスだよ」
「女の子と一緒に」
「そうした日になっているよ」
そして女の子と一緒にいないとクルシミマスと言うのだ。
「まさに」
「教会に行く人は」
「ほぼいないし」
日本のキリスト教徒の人口は日本人全体の一パーセント程だ、それではほぼいないのも当然のことだ。
「皆遊ぶね」
「ですか、ですがそれは」
「カナダでもかな」
「実は」
「そうなんだね」
「皆飲んで食べますね」
そうして楽しむというのだ。
「本当に」
「そこは一緒だね」
「僕のお勧めはアイスワインです」
「カナダのだね」
「はい、このワインいいですよ」
僕に笑顔で言ってきた。
「もうあれはです」
「ワインの中でもだね」
「特別で」
「だからクリスマスもだね」
「飲んでくれたら」
そうしたらというのだ。
「僕としてもです」
「嬉しいんだね」
「カナダ人として」
「そうなんだね」
「カナダの企業が売ってますし」
キートン君の言葉には切実なものもあった。
「お願いします」
「だからなんだ」
「売れますと」
「企業が儲かってね」
「従業員も助かりますし」
「雇用が確保されてね」
「だからお願いしますね、というかカナダの企業って」
キートン君はこんなことも言った。
「成長するとすぐになんです」
「アメリカの企業に買収されるんだね」
「はい、そうなっているんですよ」
「それは大変だね」
「だってアメリカですよ」
これだけで納得出来るから凄いと思う。
「もういけると思ったら」
「あそこはすぐに動くからね」
「ですから企業もです」
これもというのだ。
「買収されるんです」
「そうされるんだね」
「あの国は肉食ですからね」
「それもかなりね」
「大体太平洋ってそうですしね」
「肉食の国が多いんだね」
「こうしたことについては」
企業つまり経済や貿易のことはだ。
「凄いですから、日本も」
「買収してくるんだね」
「そうしてきますよね」
「よくあるね」
八条家もそうしている、ただ八条家はそうして傘下に置いた企業は相当な悪事をしない限り見捨てない方針だ。
「実際に」
「そうですよね」
「つまり日本も肉食なんだ」
「僕から見ますと」
「そうなんだね」
「はい、ですがカナダは大人しい国民性で」
それでというのだ。
「自分が自分がでもなくて」
「企業もなんだ」
「全体的にのんびりしたお国柄で」
太平洋の国では珍しく、というのだ。
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