おぢばにおかえり
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第六十一話 食べてもらってその十一
「大歓迎だからな」
「そうなんですか」
「ちゃんと寝られるしご飯も出るしお家もある」
「それでブラックじゃないんですね」
「そうだ、どうだい?」
「是非、けれど相手の人は」
「そこはあれだな」
ここで私を見て言うのでした。
「気付くだけだ」
「そうですか」
「とにかく阿波野君は大学を出たら修養科に行きたいんだな」
「はい、先になりますけれど」
「そうだな、少なくても六年後だからな」
「それだけですね、僕進学は専修科も考えましたけれど」
言うならおみちの専門学校です、詰所に住ませてもらってそこから通います。その後大教会に二年ふせ込ませてもらうのが奥華の決まりです。
「大学で四年間学ばせてもらおうと思いまして」
「おみちのことをだね」
「はい、それで大学に行かせてもらいたいです」
「宗教学部でだね」
「天理大学の」
「いいことだよ、じゃあ四年間もね」
大学んそれもというのです。
「いさんでいくんだよ」
「そうさせてもらいます」
「是非ね、ただね」
「ただ?」
「いや、専修科も知ってるんだね」
「はい、毎日みたいに詰所に行ってますから」
このことは私も知っています、とにかく下校の時にまず寄っています。
「そこで専修科の人にもお会いしていて」
「知ってるんだね」
「はい」
「成程ね、それで考えて」
「親ともお話して」
そうしてというのです。
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