おぢばにおかえり
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第六十一話 食べてもらってその十二
「大学の方がいいって」
「なったんだね」
「そうなんです、親は大学に進学した方がいいって言って」
「将来のことを考えてだね」
「そう言ってくれて」
「成程、じゃあ大学までしっかりだね」
「勉強していきます、それと」
阿波野君はほうれん草を食べながら言いました。
「両親はおみちに入ることもいいって言ってくました」
「そうか、それもいいね」
「あと奥華の人達も応援してくれています」
「君は平野の方の系列だよね」
「そうなんです、所属教会も」
そちらもというのです。
「平野の系列で堺の方で」
「ああ、あそこだね」
「その教会は」
ここで阿波野君は自分の教会のお話をしますと知っている教会でした、奥華は二百七十は教会がある大所帯ですが私は全部の名前を憶えています。
「堺の方で布教所もあったわね」
「そこの布教所にいまして」
「そうなのね」
「はい、仰木さんって人の教会ですが」
「えっ、仰木さんって」
そう聞くとです、私も知っていました。
「物凄く有名な人じゃない」
「そうみたいですね、奥華だと」
「もう知らない人はいないっていう位に」
もうちょっとした教会の人よりも有名な人です。
「知らない人いないわよ」
「そうみたいですね」
「阿波野君最初はうちの教会の人って思ったけれど」
「それが違いまして」
「仰木さんのところの子だったのね」
「そうなんですよ」
「あの人のことは僕も知ってるよ」
お父さんとも知り合いなのでこう言いました。
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