夢幻水滸伝
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第百七十二話 プールに行ってその五
「あたいの下着はトランクスなのよ」
「まあ大抵トランクスかボクサーやな」
「今僕等の年代でブリーフは少ないわ」
「星のモンではおらんかったな」
「どっかのゴルゴと違ってな」
「あの下着はない」
今度はリーが出て来た、厳めしい顔で服も紫を基調とした堅苦しいものだ。
「今時な」
「まあ昔は普通やったしな」
「そのブリーフもな」
「確かに今は少数派やが」
「かつてはな」
「下着はあっさりとトランクスや」
リーは言い切った。
「私もそう思う」
「そうそう、リーちゃんわかってるわね」
アレンカールは大柄な彼を見上げつつ話した。
「そうしたお洒落も」
「ファッションには興味はないつもりやが」
それでもとだ、リーはアレンカールに返した。
「礼儀正しくしっかりした服装はな」
「心掛けてるのね」
「そや」
こう答えたのだった。
「私も」
「そうなのね」
「それで今もな」
「その服装なのね」
「あと風水にも気をつけていて紫はな」
服の基調にしているこの色もというのだ。
「私の色としてだ」
「いいのね」
「子供の頃占いで紫は私に福や幸をもたらす色と言われてな」
そうしてというのだ。
「それ以来だ」
「あんたのシンボルカラーにしているのね」
「そうしているとな」
「実際にいいことがあるのね」
「先の戦には負けたが」
それでもというのだ。
「だがこうして素晴らしい仲間達と共にいる」
「そう考えるとなのね」
「幸をもたらしている」
その紫がというのだ。
「だからいい」
「そういうことね」
「うむ、敗れたのは私がそれだけの器だったということ」
「幸や福のことではないのね」
「敗れても失ったものはほぼなく得たものは非常に大きい」
だからだというのだ。
「それでだ」
「もういいのね」
「私はな、ではな」
「あんたもプールによね」
「行こう」
「おお、そこにおったか」
「そろそろ会うと思ってたわ」
今度は羅と施の中国の神星二人が来た、羅は青施は白をそれぞれ基調とした服を着ている。
「プールに行くんやとこの道が一番近いからな」
「それで会うと思ってたら」
「まさにやったな」
「予想が当たって何よりや」
「ああ、自分等も来たか」
中里は二人が自分達のところに来たのを見て言った。
「また数が増えたな」
「ああ、しかし派手な服やな自分等」
羅は中里達のそれぞれの服を見てこう言った。
「特にリー、自分はスケバン何とかの敵かいな」
「何だそのスケバン何とかというのは」
「昔の日本のドラマや」
「そういうものもあったのか」
「セーラー服で鉄仮面被っててな」
「よくわからない設定だな」
「今も活躍してる女優さんが主演でな」
羅はリーにさらに話した。
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