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夢幻水滸伝

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第百七十二話 プールに行ってその四

「それに引かれてな」
「強引にでも都合つけたんやな」
「水着の力は偉大や」
 芥川は言い切った。
「水着や言うても」
「その実はやな」
「下着や」
「それに他ならへんな」
「水着は水に濡れる為の下着や」
 そうしたものだというのだ。
「そやからな」
「皆水着に誘われたか」
「そや、しかも星のモンで女の子はや」
「可愛い娘ばかりやな」
「制服の上からでもスタイルのよさがわかったりな」
「ほな皆来るな」
「女の子にしてもな」 
 芥川は今度はその彼女達の話をした。
「やっぱりな」
「男の水着姿見たいんやな」
「こう言うたら何やが」
 芥川はその声を微妙に小さくさせどうかという顔になって述べた。
「やっぱり人は性欲がある」
「それは事実やな」
「性別問わずな」
「女の子もやな」
「そやから人は今まで種として続いてきた」
「それが現実やな」
「そや」
 こう中里に言った、尚太平洋と地下世界の星の者達は皆そうした経験はそれこそ最初の段階でない。
「僕も話を聞いただけやが」
「実際には確かめてないか」
「女の子に性欲あることはな」
「まあな、僕もそう言われるとな」
 芥川もそれはと述べた。
「実経験ではな」
「知らんな」
「そう聞いてるだけでな」
「そやな、けど事実な」
「男女共に性欲があるからか」
「種として残ってきてるんや」
 そうなっているというのだ。
「それが本能やしな」
「性欲は本能か」
「食欲、睡眠欲と並ぶな」
「そこまでのもんやな」
「それは男女共にあって」
「女の子もか」
「男の水着姿見たいんや」
 そうだというのだ。
「事実上の下着姿をな」
「そやねんな」
「それで皆集まったんや」
「何か生々しい現実やな」
「食欲に性欲でやな」
「しかも安いから来るとかな」
「まあそれでも皆集まるからな」
 それでとだ、芥川は現実をさらに話した。
「皆でな」
「親睦深めるか」
「そうしよな」
「ほなな」
 二人でこう話しているとだ、そこにアレンカールが来た。見れば芥川が黒中里が赤を基調とした私服なのに対して彼の私服は緑を基調としそこに黄色や黒を入れて配色も派手だ。しかも頭にはサングラスまである。
 その派手な格好でだ、二人のところに来て言ってきた。
「二人も今からよね」
「ああ、しかし自分派手やな」
「ブラジルユースみたいな配色やな」
 二人はアレンカールのその服の色を見て返した。
「まるでカナリヤやな」
「服のデザインもやしな」
「あら、それでもトランクスは赤だけよ」 
 下着の色はそれだというのだ。
「大人しいでしょ」
「いや、真っ赤の下着もな」
「充分派手やで」
「それでビキニやと宍戸錠さんや」
「もうお亡くなりになったけどな」
「ビキニは水着の時だけよ」 
 穿くのはというのだ。 
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