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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十四話 決断その七

「こうして」
「それは何か考えておられることが」
「実はありまして」
 内容までは言わなかった。
「そのことを考えるとです」
「どうしてもですね」
「どうすればいいか悩んでしまって」
 それでだ。
「その悩みから逃げたい、いえ飲んだ勢いで」
「考えてですね」
「きっぱり決めようとか」
 そうした考えもだ。
「出まして」
「それで、ですね」
「はい」
 どうにもだ。
「飲んでしまいます」
「そうした時もありますね」
「生きているとですね」
「そうです、ですが飲んでもです」
 小野さんは僕に確かな口調で言ってくれた。
「決めるべきことはです」
「決めないと駄目ですね」
「さもないと後悔します」
 決めないと、というのだ。
「決断はです」
「しないといけないですね」
「どちらかを。決めないでいくと」
「それで、ですね」
「何もならず」
 そしてというのだ。
「今申し上げた通りです」
「後悔しますか」
「無論決めてもです」
「後悔することもありますね」
「はい、ですが」
 それでもというのだ。
「決めて後悔することとです」
「決めないで後悔することはですね」
「違います」
「決めて後悔するとですね」
「それは後で何かになります、ですが逃げたり怠けたりです」
 その様にしてというのだ。
「決めないとです」
「それは何もならないですか」
「何かすることは種を蒔くことです」
「種は実りますね」
「そうです、ですから後で」
 後悔してもというのだ。
「何かになります、ですが」
「決めないと、ですね」
「逃げても怠けても」
「種を蒔いていませんね」
「蒔いていても」
 それでもというのだ。
「それは悪い種で」
「悪いことになりますね」
「そうです、何かをして後悔することと何もしないで後悔すること」
 小野さんは僕にこうも言ってくれた。
「どちらがいいでしょうか」
「やっぱり何かしてですね」
「左様ですね」
「バスケでも勝負に出て」
「そしてですね」
「後悔する方がです」
 勝負で出ないでそうなるよりもだ。
「ずっといいです」
「左様ですね」
「ですから」
「それで、ですね」
「決められて下さい」
「絶対にですね」
「それは必ず実りになりますので」
 僕にとってのそれになるからだというのだ。
「そうされて下さい」
「わかりました」
 僕も答えた。
「そうさせてもらいます」
「それでは」
「はい、しかし何か」 
 またビールを飲みつつ小野さんに話した、ジョッキのビールを飲んでいるけれどそのビールもあっという間になくなった。 
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