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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十四話 決断その五

「あちらは」
「もう日本人とは比較にならないまでにです」
「ビールを飲んでいて」
「その為です」
 もうそれが原因でだ。
「国民病ともです」
「なっていますね」
「左様です」
「ビールも怖いですね」
「ヒトラーは違ったと思いますが」
「あの人菜食主義者でしたし」
 異論もあるけれどやっぱりそうだったみたいだ、料理にラードも使わず特に煙草が大嫌いであったというのだ。
「お酒自体飲まなくて」
「ビールは少し口にした様ですが」
「少しですね」
「はい、そうした人だったので」
「痛風とはですね」
「無縁だった様です」
 その代わり甘いものが好きで最晩年は実は肥満していて体重は百キロを超えていたという。これは薬物の関係もあった様だ。
「あの人は」
「個人としては批判される人ではなかったですね」
「どうやらその様ですね」
「私生活は質素で」
 贅沢とは無縁だったという。
「女性にも清潔で」
「歴史上最ももてたと言われていても」
「みたいですね」
 支持者の半分が女性だったことからこう言える、いつも女性からのプレゼントが山の様に積まれていたという。
「あの人は」
「私もヒトラーの政策は嫌いで思想もです」
「お嫌いですね」
「肯定出来ません」
 到底というのだ。
「極端な社会主義、民族主義で」
「どっちもですね」
「好きになれないですが」
「私人としては」
「批判する要素はないです」
「そうした人みたいですね」
「身内も贔屓しませんでした」
 権力者にはよくある話だけれどだ。
「一切」
「とかく私人としてはですね」
「清潔で真面目でした」
「そうした人でしたね」
「ですから」
 その政策や思想は支持出来なくてもというのだ。
「私人としては」
「ヒトラーを批判しませんか」
「全く」
「そうですか」
「そして確かに一度はドイツを救いました」
「その政策も」
「そうでした」
 あの一次大戦の敗戦と世界恐慌で崩壊していたドイツをだ。
「成功はしています」
「かなり強引なやり方でも」 
 反対意見を言えば即刻強制収容所行きだ、それはもう強引どころではなく恐怖政治と言うべきものだ。
「それでもですね」
「経済を復活させましたし」
「治安もですね」
「よくしました」
 それも驚くまでにだ。
「どうしようもなくなっていたドイツでしたが」
「間違いなくヒトラーが復活させましたね」
「経済も治安も誇りも」
「そうでしたね」
「ユダヤ人は弾圧しましたし」
「ロマニの人達もですね」
「障害者にもでしたが」 
 それでもだったのだ。
「紛れもなくです」
「ドイツを復活させて」
「誇りも取り戻させました」
「そのことは事実ですね」
「国民も彼ならばと思い」
「投票してですね」
「政権に就かせましたし」
 それにだ。 
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