| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百九十四話 決断その四

「そうしますと」
「こうしてですね」
「止まらないで」
 それでというのだ。
「ついついです」
「飲み過ぎますか」
「そうなります」
「やっぱりそうなりますよね」
「そして痛風が」
 この病気がというのだ。
「気になります」
「ビールはそれがありますからね」
「お酒の飲み過ぎ自体が駄目ですが」
 それだけでなくだ。
「ビールはです」
「どうしてもそれがありますね」
「最近はプリン体のないものもありますが」
「やっぱり基本それがありますからね」
 ビールにはだ。
「ですから」
「それが気になります」
「痛いらしいですね、痛風は」
「その様ですね」
「文字通り風が身体にあたるだけで痛いとか」 
 人の肩がぶつかっただけでもだ、そこは本当に文字通りだ。風が痛いというのはまさにその通りの言葉なのだ。
「それも泣きそうになる位に」
「ですから」
「小野さんもですか」
「気をつけてはいます」
「一旦なると辛いので」
「そう聞いているので」
 最初からというのだ。
「そうしています」
「そうですか」
「歴史上でも苦しんだ人は多いです」
 痛風にだ。
「カール五世等」
「神聖ローマ帝国皇帝でしたね」
 ハプスブルク家の人だ、その業績もさることながらハプスブルク家の代名詞である顎のことでも有名な人だ。
「そうでしたね」
「あの人は皇帝でしたが質素な生活で」
「お酒はビールでしたね」
「朝から冷たいビールを多く飲んでいたとか」
「らしいですね」
 蛙の足や鰻、アンチョビ等が好きでだ。
「ごくごくと飲んで」
「主治医を心配させていましたが」
「実際に痛風になってですね」
「苦しんでいました」
「そうでしたね」
「あとメディチ家の人達も」
 ルネサンスのイタリアで有名な人達だ、今でも貴族として残っている。
「代々です」
「贅沢な暮らしの結果ですね」
「痛風でした」
「代々ですか」
「一族の持病と言われていました」
 その痛風がだ。
「食生活でもそうなりますが」
「やっぱりビールですね」
「カール五世の様に」
「痛風には一番よくないですね」
「宗教改革のルターもそうでした」
 痛風だったというのだ。
「ビールが好きで」
「カール五世とは宗教的に対立していても」
「それでもビール好きは同じで」
「痛風でしたね」
「ドイツは今でもです」
「痛風が多いですよね」
 ドイツから留学している子達も言っていた、やはりビールをいつも大量に飲んでいるのでなってしまうらしい。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧