八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九十三話 一人だけじゃなかったその八
「そうですね」
「そのつもりです」
「武道の鍛錬をすると」
そうするとだ。
「身体だけでなく心もですね」
「鍛えられてです」
「高められますね」
「そうです」
まさにというのだ。
「だからいいのです」
「武道は」
「無論意識しないとです」
「心は鍛えられないですね」
「心のない武道も暴力です」
「そうなりますか」
「はい」
今僕達が否定しているそれになるというのだ。
「その場合も」
「心も鍛える」
「力だけ鍛えてです」
そうしてというのだ。
「その力を弱い人を虐げる為に使っては」
「まさに暴力ですね」
「そうなりますので」
だからだというのだ。
「私もです」
「いつも心掛けてですか」
「武道の鍛錬をしています」
毎朝のそれをというのだ。
「あの木刀を千本か二千本振り」
「スクワットもですね」
「しています」
こちらも何千回と、というのだ。
「身体を鍛えると共に」
「心を鍛える為に」
「そうしています」
「武道をしていればですね」
「まさに身体だけでなくです」
「心もですね」
「だから心身共というのです」
鍛えるというのだ。
「左様です」
「そういうことですね」
「若しです」
「身体だけなら本当に足りないですね」
「そうした輩になっては免許皆伝でも」
それでもというのだ。
「なりません」
「真の意味での免許皆伝ではないですね」
「武道ですから」
「そういうことですね、やっぱり」
「だからこそ義和様もくれぐれもです」
「ですね、気をつけていきます」
「それでは」
畑中さんとこうしたお話もした、心がどれだけ大事かということをあらためて知ったお話だった。そして。
僕はクリスマスのことを考え続けたがその中で詩織さんに学校の休み時間にたまたま会った時にこう言われた。
「ねえ、今暇かしら」
「一応はね」
こう詩織さんに答えた。
「あくまで今のところだけれど」
「そうなのね、じゃあちょっとね」
「今からかな」
「お話しない?」
こう僕に言ってきた。
「義和に時間あるなら」
「うん、じゃあね」
「こっち来て」
こう言って僕を校舎の屋上に案内してそこでだった。
詩織さんは僕を見て切実な顔で言ってきた。
「香織もよね」
「ああ、クリスマスのことだね」
「まだどちらを誘うか決めてないわね」
「それはね」
「クリスマスはね」
詩織さんは僕にさらに言ってきた。
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