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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十三話 一人だけじゃなかったその七

「知っている人に自分の叔父さん脳梗塞で倒れたことのある人に」
「そうしたことをしましたか」
「何か言われて殴ってやろうかと言ったとか」
「そうした人もいますね」
「相手は叔父さんで」 
 言うまでもなく年上だ。
「目上の人、といいますか」
「そうでなくてもですね」
「誰でも言ってはいけないですね」
「相手を殴ってやろうかなぞとは」
「そうですね」
「しかも脳梗塞で倒れますと」
 復帰してもだ。
「障害は残ります」
「喋ることについても動くことについても」
「そうした人に言ってはです」
「尚更ですね」
「なりません」
 絶対にというのだ。
「それこそ」
「そうですよね」
「それを言うとなると」
 それこそというのだ。
「どうにもならない人です」
「そうですよね」
「暴力を出すなぞ」
 振るうことも問題外でもだ。
「間違っています」
「そうですよね」
「そうしたことはまことにです」
「やってはいけないですね」
「義和様は間違ってもされないです」
 僕自身にこう言ってくれた。
「ですから」
「これからもですね」
「そうしたことはです」
「言わないことですね」
「最早誰にもです」
「そうですよね」
「言えばそれで人としてです」
 まさにというのだ。
「おしまいです」
「左様ですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「お気をつけ下さい」
「努力してですね」
「左様です」
 まさにという返事だった。
「くれぐれも」
「そうしてきます」
「そうして少しずつでも己を高め」
 畑中さんは僕にさらに話してくれた。
「次の人生でもです」
「生まれ変わってもですね」
「徳を高めていけば」
「仏教ではです」
 この宗教ではというのだ、八条家は天理教だけれど仏教の教えも否定していない。実は天理教の教祖伝でも教祖様が仏教の経典を読んだりお百度参りをしたお話がある。
「そこからです」
「解脱しますね」
「徳を積んでいけば」
「その生だけではないですね」
「そうです、天理教でもですね」
 その天理教のお話もしてくれた。
「徳を積めば」
「次の人生にも生きてきますね」
「ですから」
「努力してですね」
「己を高めていくといいです」
「一度きりの人生じゃないですね」
 よく言われるけれどだ。
「その実は」
「左様です」
「だからですね」
「努力していきましょう、私もです」
「努力されていますね」
「そのつもりです」
「だから今も鍛錬をされているんですね」
 畑中さんの毎朝のそちらのお話もした。 
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