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夢幻水滸伝

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第百六十六話 想定していないことその一

                第百六十六話  想定していないこと
 蓬莱は南下していた、アレンカールは偵察に送った斥候達からその報告を聞いて言った。
「絶対に陽動ね」
「ここで僕達が前に進めばだね」
「ええ、周りの雲なり海の下なりから伏兵が出て来るか」
 ジオンゴに応えて述べた。
「若しくは夜にね」
「夜襲だね」
「そうしてくるわ」
「絶対に普通には来ないね」
「来ると思うかしら」
 アレンカールはジオンゴに笑って問うた。
「誰か」
「絶対にないね」
「それだけはないですね」 
 ジオンゴだけでなくイザベルも言ってきた。
「日本は奇襲してきますよ」
「戦力差を考えるとね」
「こっちは千百万、日本は六十万」
 モンテロッソはその兵力の差を述べた。
「正面から戦って勝てる筈がないですから」
「そうよ、何があってもね」
 アレンカールはまた言った。
「それだけはね」
「ないですね」
「全軍夜襲と奇襲に備えて臨戦態勢よ」 
 それに入るというのだ。
「今夜はね」
「そうしてですね」
「敵が来たら迎え撃つわ、蓬莱は動きが速いから」
 南下して自分達に向かってきているからだというのだ。
「それでね」
「夜にですね」
「来るから」 
 それでというのだ。
「いいわね」
「全軍夜襲に備えることですね」
「そうよ、そして日本軍が来たら」
 その時はというのだ。
「いいわね」
「全軍で迎え撃って」
「返り討ちにしてあげるのよ」
「今夜ですか」
 マルタは息を飲む様にしてこの言葉を出した。
「決戦ですか」
「そうよ、今夜そうなって」 
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「勝つのですね」
「奇襲は成功したら効果が凄いけれど」
 それで勝敗を決することが出来るというのだ。
「けれどね」
「破ればですね」
「倍返しになるから」
 だからだというのだ。
「逆に負けるのはね」
「相手となりますね」
「そうよ、これまで散々奇襲を仕掛けてきたけれど」
 日本、彼等はというのだ。
「けれどね」
「今度はですね」
「逆にね」
 まさにというのだ。
「あたい達は破るのよ」
「その奇襲を」
「そうよ」
 まさにとだ、アレンカールはシルビーナにも話した。
「だからね」
「今はですね」
「全軍でね」
 千百万のそれでというのだ。
「警戒してね」
「そうしてですね」
「敵が来たら」
 その時はというのだ。
「やり返すわよ」
「では」
「あとね」
 アレンカールはこうも言った。 
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