ヘタリア大帝国
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TURN46 王女アルビルダその八
「それでも落ち込んでるから」
「日本のことは言うなっていうんだな」
「そういうこと。いいわね」
「わかったさ。まあとにかくな」
話が一段落ついてからまた言うゴローンだった。
「この服を着てくれたらな」
「その服凄い露出だけれど」
クリオネも生地の面積の少なさを指摘する。
「大丈夫じゃないわよね」
「下着は見えるかもな」
「・・・・・・何よそれ」
クリオネはそこまでの露出だと聞いてその憮然となった顔をさらにそうさせる。
「私の下着まで見たいっていうの!?」
「アンスコもあるぞ」
「それも貸してくれるならいいわ」
クリオネはようやく妥協点を見出すことができた。
「穿くから」
「白だけれどいいよな」
「今日下着白だからいいわ」
クリオネはさりげなく墓穴を掘る。自分でも気付かないうちに。
「それじゃあね」
「ああ、部屋はあるからな」
「全く。何だっていうのよ」
クリオネの憮然とした言葉は続く。
「三十になってこんな恥ずかしい格好しないといけないなんて」
「悪いがここは我慢してくれ」
そのクリオネにイギリスがそっと言う。
「着るだけでいいっていうからな」
「わかってます。そのことは」
「じゃあ頼むな」
「はい、それでは」
こう話してだった。クリオネはゴローンが出してきたその服とアンダースコートを貰って別室に入った。そうしてすぐにそのオレンジの服とブーツで部屋に戻って来た。その彼女を見てだった。
ゴローンはベッドから飛び出していきり立つ。全身を思いきり上に伸ばしてそのうえで絶叫したのである。
「うおおおおおおおーーーーーーーーーーっ!!萌えだあああああーーーーーーーーっ!!」
「そこで騒ぐのね」
「萌え!萌えは正義だ!」
ゴローンは魔人の様に叫び続ける。
「よし!力が出て来たぞ!」
「じゃあ一緒に戦ってくれるのね」
「そうする!俺は約束は守る!」
確かに変態的だがそれでもゴローンは律儀だった。だからこそ。
彼は約束を守った。すぐにエイリス軍に加わった。
そして銀河に出たところでだ。彼はイギリス達に宇宙港でこう言った。
「今から俺の魔術を見せる」
「ええ、見せてもらうわ」
すぐに元の服に着替えたクリオネが応える。
「あんな恥ずかしい格好した分はね」
「任せろ。俺の魔術は凄いぞ」
ゴローンは自身も見せる。
「そう簡単に見られない位だからな」
「そう。そこまで凄いのね」
「じゃあ早速出すな」
こう言ってだ。ゴローンが何か念じ呪文を唱えると銀河に艦艇が出て来た。エイリスの艦艇が四個艦隊程出て来たのだ。
それを見てだ。イギリスは唸る様にして言った。
「これがあんたの術なんだな」
「そうだ。幻の艦隊だ」
ゴローンはそのイギリスにどうだという顔で答える。
「俺の術の一つだ」
「目くらましに使えるな」
イギリスは幻の艦隊と聞いて最初はこう思った。
「見せ掛けの艦隊として置くか」
「この連中ちゃんと攻撃もできるからな」
ゴローンはイギリスにこう言い加えた。
「だから安心してくれ」
「攻撃できるのかよ」
「ビームな。それでこっちはビームが効かない」
「随分都合がいい話だな」
「ある程度のビームだけれどな」
しかし効かないのは確かだというのだ。
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