夢幻水滸伝
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第百六十五話 直前の軍議その十
「それでな」
「乾パンやな」
「まあビスケットもあるし」
「それを食ってもええな」
「缶詰もあるしな」
芥川はこちらの食べものも出した。
「とにかくな」
「そういうもん食ってやな」
「戦うで、昼飯からは普通のメニューや」
それにするというのだ。
「カレーなり何なりな」
「三日後のお昼は野菜カレーとチキングリルとサラダです」
メニューを決めている麻友が話した。
「六十万の将兵全員がです」
「カレーやな」
「これを食べて」
そしてというのだ。
「頑張っていきましょう」
「ほなな」
「しかしこうした時いつもカレーかハヤシの様な」
石川はここでこのことを指摘した。
「気がしますね」
「だってすぐに沢山作られて栄養があってね」
「しかも美味しいからですか」
「もう戦の時はね」
まさにというのだ。
「やっぱりね」
「カレーですか」
「そこからはじめて」
そしてというのだ。
「しっかり栄養を摂って」
「そこからですね」
「美味しいものをどんどん作って食べてもらって」
「栄養をつけてもらいますか」
「そうしているんだよ」
まさにというのだ。
「美味しいだけじゃなくて栄養があるね」
「そういうことですね」
「そう、ただ」
「ただ?」
「カレーにはじまるけれど」
それでもとだ、麻友は石川に笑って話した。
「全部カレーにはしてないね」
「それは一度もないですね」
その通りだとだ、石川は麻友に答えた。
「これまでの戦で」
「そうだね、同じものばかり食べたら飽きるからね」
だからだというのだ。
「カレーばかりにはしないよ」
「そういうことですね」
「流石にカレーばかりやと」
どうかとだ、志賀も言ってきた。
「飽きるな、僕もカレー好きやけど」
「カレーといっても種類は多いけどな」
麻里佳は志賀のその言葉に頷く。
「流石にカレーばかりやとな」
「飽きるやろ」
「あーしだってそやね」
「そやから麻友っちがちゃんとな」
「色々作ってくれるのは有り難いね」
「ほんまにな」
「例えばお鍋にしても」
千歳が言う鍋はというと。
「色々考えてくれるし」
「鴨鍋とか鮟鱇鍋もあったし」
美奈代は千歳に続いた。
「色々出してくれるから」
「いいよね」
「ほんまに」
「この前の豆乳鍋もよかったし」
「トマト鍋も」
「どっちもよくて」
「飽きへんわ」
二人で話す、そして。
美奈代は笑って千歳にこう言った。
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