| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百六十五話 直前の軍議その九

「そうしてきましたね」
「そや、平和的にな」
「それで、ですか」
「今回の戦もや」
 これもというのだ。
「賛成してなくてな」
「戦には加わっていませんね」
「術は使えるし能力も高い」 
 即ち戦闘は可能だというのだ。
「そやけどや」
「戦よりもですね」
「政や」 
 そちらの者だというのだ。
「というかもう政一辺倒のな」
「そこまでの奴ですね」
「そやからな」
「一騎打ちにも戦にもですね」
「出てへん、むしろ戦が終わってな」
「その後どうするか」
「そこで働いてもらう」
 その時にというのだ。
「そうしたポジションの奴や」
「そうなりますね」
「そやからな」
 それでというのだ。
「あいつは今はおらんからな」
「一騎打ちは四十人ですね」
「それでやるわ、一人減ってるけどな」
「その一人の有無がですね」
「大きい、そして一騎打ちに勝ったモンはな」
「即座に軍勢同士の戦闘に参加する」
「そうしてもらう」 
 芥川はこのことも話した。
「このことはこれまでの戦と同じや」
「左様ですね」
「ほなそうしてくで」
 こう言ってだった、芥川は。
 一旦茶を飲んでそれからまた言った。
「三日後、朝から戦ってことでな」
「ああ、ほな起床は四時半でな」
 中里が応えた。
「飯は夜のうちに用意しとくか」
「ご飯は炊くまで時間がかかる」
「それでやな」
「パンを用意しておいてな」
 そしてとだ、芥川は中里に答えた。
「起きたらな」
「それと同時にパン食べるな」
「こうした時はパンの方がええ」
 芥川は真剣な顔で述べた。
「すぐに食べられるからな」
「日本人はこの世界でもご飯やが」 
 やはり主食はこれでありこれを食べることが最もよいがとだ、中里は述べた。だが彼も戦をしてきてわかったのだ。
「しかし炊くのに時間がかかって」
「運ぶのもかさばるしな」
「しかもお握りにしてもな」
「一晩置くといたむ場合もあるやろ」
「寒過ぎると凍るしな」
「今回は土佐の南の海で戦う」
 芥川はその場所のことも話した。
「暑いしな」
「お握り作り置きしてるとな」
「いたむ恐れがある、給養員を朝早く起こさせて飯炊かせるにしてもな」
「普通の奴が四時半起きやと三時起きるやな」
「流石にそこまで早いとな」
「後々大変やな」
「それでパンや」
「保存食のそれやな」
「そや、乾パンや」
 これを食べるというのだ。
「それでいくで」
「戦の時はな」
「とにかく飯は食う」
 これは絶対だというのだ。
「三食な」
「さもないと戦にならんわ」
「そや、それでその時はやな」
「乾パンや、まあビスケットもな」
「乾パンと大して変わらんな」
「実際そんな風やったしな」
 起きた時の世界の日本ではビスケットは完全にお菓子のポジションである、だが本来は軍の携帯食であったのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧