夢幻水滸伝
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第百六十五話 直前の軍議その三
「だからぜよ」
「今はですね」
「甘いものぜよ」
そちらだというのだ。
「そっちを飲んで食うぜよ」
「お酒がないのならば甘いものですね」
「そうぜよ、ただ洋酒を飲むなら」
つまりワインやウイスキーを飲むならというのだ、軍議の場でも話す。
「甘いものぜよ、それで戦のことはのう」
「正岡さんはどうお考えですか」
「ここは軍師さんと言う通りぜよ」
まさにというのだ。
「正攻法ぜよ」
「それでいきますか」
「思いきり攻め込んで」
そしてというのだ。
「驚いている敵を堂々と倒すぜよ」
「そうしますね」
「わし等の戦では今までなかったが」
覇権を争う戦ではというのだ。
「それでもじゃ」
「だからこそ効果がありますね」
「そうじゃ、やってやるぜよ」
「では」
「おまんもそれでええのう」
「もう奇襲はです」
それこそというのだ。
「やり尽くしています」
「これまでの戦でじゃな」
「台風を使う、秘かに精鋭を海中から後ろに回り込ませ急襲する」
「敵が一斉攻撃を仕掛けるその瞬間を叩いたこともあったぜよ」
「冬の猛吹雪の中を攻める」
「ほんまにやり尽くしたのう」
「はい、これはという奇襲は」
最早というのだ。
「全て」
「それであちらさんも警戒してるぜよ」
「そして今は相手もです」
「奇襲を徹底的に警戒しているぜよ」
「そうしています、ですが」
「正攻法はじゃな」
「来るとはです」
その様にとはというのだ。
「思っていません」
「そこがじゃな」
「狙い目です」
「そういうことぜよ、なら」
「今回は堂々と攻めましょう」
「敵さんどんな顔するか楽しみぜよ」
「一騎打ちに出る面子は決まってるしね」
玲子は楽しそうに言ってきた。
「今回も思いきりやってやるよ」
「はい、私達は」
「もう出るって決まってるしね」
玲子は笑ったまま雪路に応えた。
「じゃあね」
「今回もやりましょう」
「思う存分戦ってね」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「勝つことですね」
「そういうことさ、それとね」
「それと、とは」
「一騎打ちに勝ったらいつも通りだからね」
「軍勢を率いて戦いますね」
「そっちも楽しみだよ、あたしはこっちの世界じゃ暴れるしか出来ないからな」
だからだというのだ。
「やってやるさ」
「いえ、それは違います」
喜久子が玲子の今の言葉を否定してきた。
「玲子さんは平時でもやってもらうことがあります」
「食う寝る遊ぶしかないですよ、あたし」
「いえ、警備に治安です」
そちらの仕事があるというのだ。
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