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夢幻水滸伝

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第百六十五話 直前の軍議その一

                第百六十五話  直前の軍議
 綾乃は日本の星の者達を前にして話した、今も傍らのすぐ下の席には太宰がいて中里と芥川がそれぞれ左右のすぐ下の席に控えている。
「六十万の軍勢が蓬莱に乗り込んで敵の移動要塞であるエルドラドに突き進んで」
「そしてたいな」
「一気に攻め込んで」 
 美鈴に対して答えた。
「そうしてやで」
「攻めるたいな」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「正面からどんどん攻めて」
「敵を倒していくたいな」
「これまでは奇襲ばかりやったけど」
 それをというのだ。
「今度はそうしていくで」
「敵は正攻法で来るとは思ってなかとよ」 
 美鈴は確かな声で述べた。
「だからたいな」
「あえてその正攻法で攻めて」 
 そしてというのだ。
「突き崩すたい」
「敵がないという方法で攻める」
「それが戦やっていうし」
「それで来るとわかってても必勝の策やったらそれでいくけどな」
 軍師として策を考えている芥川も言って来た。
「そやけどな」
「こっちは少数たい」
「それやとな」
「敵の思わぬやり方で攻めるたいな」
「それで今度はな」
「正攻法がそれたいな」
「そや、これは絶対にないってな」
 その様にというのだ。
「敵は思ってる」
「若しくはそう来るとは想像もしてない」
「そこを衝いてや」
 そのうえでというのだ。
「攻めてな」
「戦うたいな」
「そうしていく、少数つまり劣勢ならや」
「劣勢の戦い方があるな」
「そういうことや、それでや」 
 まさにというのだ。
「これまでは奇襲でいったけどな」
「意表を衝くことは変わらんで」
「それでや」
 まさにその考えからというのだ。
「今度は正攻法や」
「それでいくたいな」
「思い切ってな」
「これまで奇襲ばかりやった」
 軍勢を預かる中里も言ってきた。
「当然アレンカール達もそれを警戒してる」
「もうどんな奇襲で来るかってな」
「戦々恐々とする連中やなくても」
「これ以上はないまでに警戒してる」
「その分疲れもする」
「相手を疲れさせるのも戦略や」
 これもまた、というのだ。
「それでや」
「あえて警戒もさせてるな」
「そや、長旅もさせてな」
「思いきり警戒させて」
「将兵を疲れさせたうえで」
「そこで思いも寄らぬ正攻法、堂々と正面から攻め込むんやな」
「全力で、それも速攻でな」
 その様にして攻めてというのだ。
「そうする、敵はまさかと思って」
「驚くな」
「驚いたそこでな」
 まさにというのだ。
「一気に攻め込むんや」
「それで機先を制する」
「疲れきった敵軍に攻め込むんや、そうしたらな」
「そこでかなり有利に立てるな」
「そういうことや、そこで自分はアレンカールに一騎打ちを挑む」
「他の星のモンもやな」
「それぞれ一騎打ちを挑んで」
 ここでも相性を考えてそうすることは言うまでもない、これまで日本はそうして一騎打ちもことごとく勝ってきたからだ。 
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