夢幻水滸伝
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第百六十三話 近付く最後の決戦その二
「あそこは多い」
「アレンカールの下に四十人や」
「こっち程多くなくてもな」
「それでも四十人は脅威やな」
「そや、アレンカールを入れたら四十一人や」
「それだけに強いな」
「ああ、けどな」
ここで芥川は言った。
「戦に強い星のモンはこっちの方が多い」
「采配も戦闘もやな」
「そや、しかも神星はな」
「僕がアレンカールに向かって」
「僕と綾乃ちゃんはフリーや」
一騎打ちをせずに済むというのだ。
「しかもあっちは一人戦はせん」
「カマンダはな」
「あいつはサプールや」
芥川はカマンダの立場を話した。
「交渉人であると共にな」
「サプールは絶対に戦わんな」
「そや、絶対の平和主義や」
サプールのその考えを話した。
「あのお洒落は伊達やないんや」
「武器を捨てて紳士として振舞う」
「その考えの下での服装や」
スーツを着て帽子やステッキも身に着けて己を飾る、その男伊達は決して何の意味もないものではないのだ。
「実際にあいつはいつもスーツやな」
「神具でもあるな」
「ステッキもな」
「そのお洒落はな」
「平和主義の証」
「実は今回の覇権を巡る戦もあいつは反対やった」
今行っているそれもというのだ。
「戦やなくてな」
「話し合いでか」
「もう平城京のそれでな」
「統一したらええやろって考えやったな」
「殆どの奴は止むを得ないと思ってたけどな」
それがというのだ。
「あいつはな」
「反対してた」
「サプールは平和主義やからな、それでや」
「今回の戦もやな」
「あいつもエルドラドにおるけどな」
それでもというのだ。
「あいつは戦に参加せん」
「そしてアレンカールもそれは認めてるな」
「そや、あいつも星のモンで能力は高くて」
戦闘の基準になるそれもというのだ。
「術も全部使えるが」
「それでも戦わんな」
「サプールやからな、そやからな」
「連合はその分やな」
「星のモンで戦えるモンは少ない」
そうなっているというのだ。
「カマンダは地猛星、同じ地の星のモンが一人空く」
「あっちで戦う地の星のモンは十七人になるな」
「それに対してうちは地の星のモンは十七人」
「充分いけるな」
「そや、それで人の星はこっちの方が多い」
芥川はその話もした。
「人の星は余る、そして天の星はな」
「あっちは四人でな」
「こっちは九人や」
「天の星が五人も最初から軍勢同士の戦に投入出来るんや」
「このことは大きいな」
「僕と綾乃ちゃんに加えてな」
神星の二人にというのだ。
「確かに軍勢の数の差は凄いわ」
「六十万と千百万でな」
「これは容易には覆せんが」
それでもというのだ。
「技術レベルはこっちの方が百年は先でや」
「しかも星のモンの数は多い」
「それならな」
「勝機はあるな、後はな」
芥川は鋭い目になって話した。
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