夢幻水滸伝
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第百六十三話 近付く最後の決戦その一
第百六十三話 近付く最後の決戦
芥川は軍議の場で中里に強い顔と声で言った。
「エルドラドは四国の真南におる」
「そこか」
「ああ、大分距離は離れてるけどな」
それでもというのだ。
「場所で言うとな」
「四国の南やな」
「そこにおってな」
そうしてというのだ。
「北上中や」
「そうか」
「パラオの北や」
詳しい場所はそこだというのだ。
「そしてな」
「四国に来てるか」
「そや、海も空も艦隊は万全や」
「損害は受けてないか」
「受けてるが修復は出来てる」
それはというのだ。
「そやからな」
「万全の状態でか」
「こっちに来てる」
「千百万の大軍がやな」
「それなりの装備でな」
「そうか、枢軸も強かったけどな」
中里は聞き役から今度は自分から言った。
「それ以上やな」
「間違いなくな」
「そや、それでな」
芥川はさらに言った。
「用心することや」
「技術は産業革命後位やな」
「大体十九世紀前期のイギリスやな」
「それ位か」
「枢軸はそれより少し落ちたな」
「産業革命したてやな」
「それ位の頃やったけどな」
それがというのだ。
「連合はそれ位や」
「時代的には大差ない様で」
「これが結構あるんや」
技術の違い、それがというのだ。
「どうもな」
「ちょっとの差に見えてやな」
「産業革命から技術は日進月歩になって」
「それでやな」
「産業革命したてと十九世紀前期はとな」
「数十年でもやな」
「かなりちゃう、現代程やなくても」
それでもというのだ。
「そうなってるさかいな」
「それでやな」
「技術は全然ちゃう」
そうだというのだ。
「これがな」
「それでその分やな」
「武装はええ」
連合はというのだ。
「南洋よりも低くてもな」
「大体日本は一次大戦位の技術レベルや」
中里は自分達の話もした。
「それで中国が日露戦争の頃で南洋が十九世紀後半位やったな」
「アメリカが二次大戦の頃でな」
「それでやな」
「連合はそれ位や」
「覇権争う勢力では一番低い方やな」
「それでもな」
「枢軸と比べたら高い」
中里はこの現実を言った。
「そう考えるとな」
「結構以上に強いな」
「数に星のモンもおる」
「それやな、星のモンがな」
中里は芥川の今の言葉に何といってもという顔で応えた、そのうえで難しい顔になってそうして彼に言った。
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