八条学園騒動記
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第五百八十六話 服と見せかけてその十
「魚介類には白ワインだな」
「お刺身でもフライでもムニエルでもね」
「ワインは白だな」
「私鯉好きだけれどその時ワインだと白よ」
「俺も川魚の時も同じだ」
「川魚はあまり食べないがな」
マチアとしてはだ。
「だが肉だと赤、魚だと白だな」
「それでハンバーグだと赤ね」
「勿論だ」
「目玉焼きが乗っていても」
「卵にも赤だ」
「そういうことね」
「そんな話をしているとな」
フックはしみじみとした口調で述べた。
「お昼にハンバーグ食いたくなったな」
「そうよね」
アロアもそだと頷いた。
「じゃあお昼ネロと一緒にね」
「ハンバーグを食うんだな」
「上に目玉焼き乗せたね」
「まさにそれをだな」
「ビスマルク風のね」
アロアは笑ってこうも言った。
「それをね」
「俺もそれにするか」
「いいわよね」
「ビスマルクがどんな奴でもな」
「ええ、本当にね」
「そういえばだ」
マチアはここでこうも言った。
「ビスマルクは肉をよく食ったが牡蠣を百個なんてな」
「今の連合市民並よね」
「何でも背が一九〇あったらしいな」
「それも連合市民並ね」
「それで大食漢のせいでだ」
茹で卵や牡蠣を見てもわかる様にだ。
「太っていたらしいな」
「そうなのね」
「それでダイエットもしていたらしい」
「人間味のあるお話も多いのね」
「若い頃は二十数回の決闘をしたらしい」
「多いわね」
「シーボルトも何十としたらしいがな」
この人物もそれだけの決闘を経てきている、只の学者ではなかったのだ。
「負け知らずで顔には向こう傷があったらしい」
「凄いわね」
「時代劇や西部劇だな」
フックもこう言った。
「それか武侠劇だな」
「そうよね」
「そんな話だな」
「お話を聞くと」
「二十数回の決闘か」
「今じゃ考えられないわね」
「それに全て勝つとかな」
それはというと。
「そのまま時代劇だな」
「私達が今いる日本で言うとね」
「しかも大きかったからな」
マチアも言った。
「当時としては」
「連合だと一九〇で普通だがな」
フックは自分達のことを話した。
「今だとな」
「ああ、しかしな」
「当時のエウロパだとか」
「一九〇あるとな」
それこそというのだ。
「大男だったんだ」
「そうだったんだな」
「栄養の関係でな」
どうしてもというのだ。
「当時の人は小さかった」
「そうだったんだな」
「そういえばね」
アロアも言ってきた。
「当時の日本人相当小さかったのね」
「そうみたいだな」
マチアはアロアにも応えた。
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