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夢幻水滸伝

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第百六十二話 日本に近付きその七

「明治維新の頃や今の日本を手本にしてです」
「仕組みを考えたんやね」
「はい」
 まさにというのだ。
「そしてそれは戦が終わりましたら」
「その時はやね」
「即座にです」
 終わった瞬間にというのだ。
「動ける様にです」
「整えてるんやね」
「はい、ですがまずは」
「星の子がまた皆集まって」
「決めることになります」 
 こう綾乃に述べた。
「その仕組みでいくかどうか」
「そのことをやね」
「左様です。場所は何処にすべきか」
「そのことも考えてるやろ」
「はい、我々が勝利を収めた前提ですが」
 これからの連合とのそれにというのだ。
「日本の都である平安京にです」
「皆を集めてやね」
「会議を開き」
 そうしてというのだ。
「決めましょう」
「ほなそういうことで」
「宜しいのですね」
「ええと思うで」
 綾乃は太宰に微笑んで答えた。
「やっぱり政は太宰君やわ」
「そう言って頂けますか」
「ほんま誰よりも出来るわ。ほなその会議のことも」
「私にですか」
「やってもらうわ」
「主にですね」
「それで統一してからは太平洋と地下世界全体の内政の要としてな」
 その立場でというのだ。
「やってもらうわ」
「左様ですか」
「今は日本の宰相やけど」
 統一してからはというのだ。
「もうすぐな」
「統一された勢力の宰相ですか」
「そうなってもらうわ」
「そうですか」
「そしてそれからはな」
「太平洋と地下世界、九十五億の宰相として」
「思い切り頑張ってもらうわ」
 こう太宰に言うのだった。
「よろしゅう頼むで」
「それでは」
「少なくとも内政は責任者になってもらうわ」
「宰相としてですか」
「そやで。ただこの仕組み見たら」
 綾乃はここで太宰が出した統一後の統治機構の仕組みを見た、見ればそれは綾乃を頂点として細部まで書かれている。
「棟梁のうちの下に大宰相がおるんやね」
「はい、まさに首相であり」
 太宰は綾乃にすぐに答えた。
「全ての閣僚を統括し軍の指揮権も有する」
「日本の首相やね」
「そうした立場です」
「そやね。それに太宰君がなるんやね」
「いえ、私はその下の」
 太宰は綾乃の言葉を畏まって否定して述べた。
「大宰相を補佐し主に文治を統括する」
「宰相やね」 
 綾乃は上下関係を軸に書かれたその仕組みを見つつ述べた。
「それにやね」
「就任させて頂こうと考えています」
「どうしてなん?」 
 綾乃は太宰の言葉を聞いて彼の考えを問うた。
「何で太宰君は大宰相やないん?」
「まず私以外に相応しい方がおられまして」
「リー君やね」
 綾乃は他にと聞いてすぐに彼を思い浮かべた。 
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