夢幻水滸伝
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第百六十一話 まだ見えないがその四
「それでもな」
「政の方がやな」
「戦をする職業でも」
それでもというのだ。
「屯田もやってるし政全体によく関わってるし」
「戦よりもか」
「というか戦をしていてもな」
「やっぱり政か」
「わしもそう思うわ」
「考えは同じやな」
「山にしても」
今度は山賊のビークが言う。
「伐採に植林、山の幸の収集にな」
「モンスター退治もやな」
「やらなあかんしな」
「治でやることは多いな」
「ほんまにな」
「ええ建物一杯建てる」
大工のアグアルーザはこう言った。
「そっちの方が楽しいしな」
「大体考えることは同じやな」
「というか太平洋と地下世界で無闇に戦好きな人っておらんやろ」
ママニはアグアルーザに話した。
「そやろ」
「それはな」
アグアルーザも応える。
「誰もおらんな」
「無理に戦を引き起こしてでもやりたいって人は」
「流石にな」
「戦闘狂っていう人も」
「円地先輩にしても」
アルゲダスは玲子のことをここで思い出した。
「戦がないと治安の政する以外は寝てるか遊んでるし」
「別にな」
「好戦的な人はおらんな」
「国木田先輩は置いておいてな」
「あの人は婿探しはじめるから」
「また別にして」
ここにいる面々も一度は声をかけられたことがある、その為碧のことについては全員引いた顔になっている。
「好戦的なおらんし」
「統一したらほんま政に全員で専念やな」
「そして国を豊かにしような」
「絶対にな」
こうした話もしてから鍛錬に戻った、彼等は戦の後のことをもう考えていた。そちらの方が重要だと認識しているからこそ。
それは他の面々も同じでありシルビーナは偵察から帰ってからファラとガブリエラに話した。
「日本軍はおらんかったわ」
「やっぱり日本におるんやな」
「あっちの方に」
「そうみたいやな、まあな」
シルビーナは二人にホットミルクを飲みつつ話した、この世界ではミルクと言っても色々だが今飲んでいるのはオーソドックスな牛乳である。
「あれやな」
「あれ?」
「あれっていうと」
「戦をしてもな」
それでもというのだ。
「私等あの人等とは戦の後は仲間になるやろ」
「それでって言うねんな」
「これからのことについて」
「そや、それでな」
二人にさらに言う、見れば二人も牛乳をホットで飲んでいる。
「全力で戦っても遺恨はない」
「そうしたいな、やっぱり」
ファラはシルビーナの言葉にその通りと答えた。
「あたいもな」
「そう思ってるやろ」
「それはな、あたい占い師やし」
「基本戦よりもやな」
「未来をある程度でも予見してな」
その占いでというのだ。
「それでや」
「災害とかに備える」
「そっちが主な仕事やし」
「政の方にやな」
「やることは比重があるさかい」
それでというのだ。
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