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夢幻水滸伝

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第百六十話 見られる動きその十三

「しかしな」
「一番はやな」
「南国でな」
「キューバの海やな」
「そや」 
 まさにというのだ。
「一番や」
「成程な」
「私は基本山やが」
 それでもとだ、ファラーはインファンテの微笑んで話した。
「鉱山におってな」
「それでもやな」
「ソマリアにも海はある」
 自分の祖国にもというのだ。
「それで海も見てきたし今もや」
「それで言うんやな」
「そや」
 まさにというのだ。
「今こうしてな」
「そういうことやな」
「ああ、それでこれからやな」
「夕暮れの。大洋の海を見るか」
「水平線もやな」
「そこまでな」
「そうしてやな」
「楽しもうな、それとな」
 インファンテはその水平線も見た、そしてまた言った。
「夜の海も見てな」
「それからやな」
「寝るか、さっきまで寝てたが夜も寝る」
 その時もというのだ。
「人間寝られるうちに寝ておくもんや」
「シェスタとは別にやな」
「そや」
 インファンテはウスマンに対して答えた。
「そうしてこそ動くべき時に動ける」
「そういうことやな」
「ああ、それでさっきまで寝てたけれどな」
「夜もやな」
「しっかり寝る、幸い自分は寝ようと思ったらすぐに寝られてな」
 そしてというのだ。
「好きなだけ寝られる」
「そうした体質やからやな」
「今夜も寝るで」
 そうするというのだ。
「そして戦の時にやな」
「思う存分戦うで」
「そういうことやな」
「ああ、日本の連中とな」
「勝った方が太平洋と地下世界の覇者になるしな」
「思いきりやるで、とはいってもこっちは勝てば一戦で覇者になるな」
 インファンテはここでこんなことも言った。
「そうなるな」
「それがやな」
「ああ、日本は連戦やからな」
「他の勢力は全部あそこが倒したからな」
 ファラーもこのことについて言う。
「その日本と戦ってな」
「勝てば覇者っていうのはな」
「ずるい気もするな」
「最後に勝ち残ったモンが覇者って決めててもな」
 平城京での長い会議でそれを決めたがというのだ、彼等にとってはこのことは絶対のものになっている。
「それでもな」
「他の勢力を全部倒した相手に自分が勝ったら覇者ってのはな」
「日本の諺で言うとな」
「鳶に何とかやな」
「油揚げや」
 この諺も話に出た。
「ほんまに」
「それはずるい気もするけどな」
「それでも戦うからには勝つ」
「覇権争うなら手に入れる」
「そうしたもんやからな」
「そうあるべきやな」
「ほんまにな」
「そういうことやな、それでやけどな」
 ウスマンは二人に笑ってこうも話した。
「夜釣りしてみよと思ってるんやが」
「夜釣りか」
「そや」
 それをとだ、ウスマンはインファンテに話した。 
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