夢幻水滸伝
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第百六十話 見られる動きその十二
自分の乗艦である戦艦ハバマの司令室で寝ていたがそこから出て甲板にいるウスマンとファラーに声をかけた。
「もうちょっとで夕方やな」
「それでやな」
ウスマンが応えた。
「夕暮れの海を見るんやな」
「昼の海もええが」
インファンテはウスマンにこう話した。
「あの赤と銀の海を見るのもな」
「ええな」
「そやからな」
「これからやな」
「夕方の海も見るか」
「そうするんやな」
「ああ、まあ海は何時見てもええ」
インファンテは笑ってさらに言った。
「朝もな」
「自分そういえばな」
ファラーはそのインファンテに言った。
「何時でも時間あったら海見るな」
「ああ、キューバで独立勢力やった時もな」
「そうしてたな」
「起きた世界でもな」
そちらの方でもというのだ。
「そうしてるわ」
「キューバでも日本でもやな」
「ああ、そうしてな」
そのうえでというのだ。
「楽しんでる」
「何時でも海が好きやな」
「そや」
まさにというのだ。
「ほんまにな」
「海が好きやねんな」
「キューバは四方八方海に囲まれてる」
祖国の話もした、そのキューバの。
「お世辞にも広いと言えん国土がな」
「島国でな」
「そうした国に生まれ育ってきたからな」
だからだというのだ。
「それでや」
「海は好きか」
「自分自身海辺で育ってきてるしな」
「そやから余計にか」
「好きや、ただ一番好きな海はな」
その海の中でもというのだ。
「やっぱりキューバの海や」
「南国の海か」
「あの海が一番好きや」
目を細めさせての言葉だった。
「ほんまにな」
「そういうことやな」
「それでな」
インファンテはファラーそしてウスマンにさらに話した。
「この戦が終わったら絶対に政で忙しくなるけれどな」
「それでもやな」
「暇があったらか」
「キューバに戻って」
そしてというのだ。
「海を見たいわ」
「そこの海をやな」
「そやねんな」
「そや」
まさにというのだ。
「そうしたいわ」
「確かに海って言っても色々や」
ウスマンはインファンテのその言葉に頷いた、そうしてそのうえで彼に対してその通りという顔で述べた。
「南国の海と北極とかの海とはちゃう」
「全くな」
「ああ、南国の海はトロピカルでな」
「北極になると氷に覆われてる」
「同じ海でも全くちゃう」
地域そして気候が変わればというのだ。
「つながっててもな」
「そやろ、北極や南極の海も好きやが」
寒帯のそれもとだ、インファンテは話した。
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