夢幻水滸伝
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第百五十九話 遠路を進みその十三
「それでな」
「暫くは内政に専念やね」
「しかもうちは太宰程やないが政が出来るモンが殆どや」
星の者の殆どが政が出来るというのだ。
「ある程度にしてもな」
「どの子もそやね」
「けどあそこは武に偏ったモンも多い」
「難波とかな」
中里はすぐに彼の名前を出した。
「あいつが農業とか商業とか出来るか」
「思えんやろ」
「戦に偏った奴やな」
「完全に武将タイプや」
「そやな」
「政はほぼ出来ん」
それが芥川だというのだ。
「それでや」
「向こうは政は遅れるか」
「こっちよりも遥かに大変なのは確かや」
「そやねんな」
「内政は殆どマリーナちゃんとサーヘニーがやってる」
「あの広大な領土を二人でか」
「神星の三人もおるけどな」
それでもというのだ。
「内政の専門家は二人や」
「官僚と警官のやな」
「技術は科学者のチェッチェフだけや」
「こっちはな」
「それぞれの分野で専門家がおってや」
芥川は今度は自分達の話をした。
「僕等にしても政は出来る」
「まあ玲子ちゃんは治安以外出来んけどな」
「逆に言えば玲子ちゃん以外はある程度でも政全般が出来るからな」
「大きいな、そのことは」
「そや、こっちは人材面では政がしやすい」
そうした勢力だというのだ。
「そやから確かに広大で民も多くて文化も気候も宗教も多彩やが」
「治めていけるか」
「それで特に太宰もおるしな」
「尚更やな」
「政が出来る、しかしな」
それでもというのだ。
「ロシアとインドはちゃう」
「人材が少ないからか」
「ほんまこっちより治めるのが大変や」
「難波とかロシアの五将軍とかインドの双璧とかおるけどな」
「あの連中は内政は完全に専門外や」
「武一辺倒か」
「そや、極端にな」
そう言っていいまでにというのだ。
「ほんまにな」
「武だけか」
「そやからな、神星の三人も内政は出来るが」
「確かに出来るのは二人だけか」
「マリーナちゃんとサーヘニーや、あと外交はチャンダルや」
彼の受け持ちだというのだ。
「あいつ一人や、一人一人の能力は凄いが」
「数が少ないか」
「そやから内政も時間がかかる、こっちが統一して内政整える頃でもな」
「まだ向こうは内政が整ってへんか」
「そうなってるわ」
こう中里に話した。
「かなり進んでるにしても」
「それでもやな」
「そやからこっちはかなり有利に戦える」
「国力ついた状態で戦える」
「万全にな、そやからな」
それでというのだ。
「人がおるってことは有り難いことやな」
「武田信玄さんも言うてたやろ」
「人は城やな」
「そや、堀でもあり石垣でもある」
芥川はこの言葉も出した。
「それでな」
「統一してからやな」
「全員で政にあたってな」
「発展するな」
「これまで戦った連中、これから戦ってきた連中と力を合わせて」
そうしてというのだ。
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