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夢幻水滸伝

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第百五十九話 遠路を進みその十四

「やってくで」
「そういうことやな」
「そや、そう思うとうきうきしてくるな」
「昨日の敵は今日の友って展開にか」
「少年漫画とかライトノベルの王道やな」
「そう言われるとそやな」
 実際にとだ、中里は芥川に笑って返した。
「わくわくしてくるな」
「うきうきちゃうんか」
「そこはわくわくやろ」
「そっちか」
「僕はそう思うで」
「どっちでも同じ意味ちゃう?」
 綾乃は二人のそのやり取りを見て棟梁の座から話した。
「結局は」
「そうか?」
「結構ちゃうと思うけどな」
「うちは同じや思うで」
 綾乃にすればだった。
「それやと」
「そうか」
「そうなるんやな」
「結局はな、まあとにかくな」
 綾乃は微笑みあらためて話した。
「これからまた戦やな」
「そやな」
「また全面対決やな」
「ここで勝てば」
「僕等が覇者になるわ」
「大事な戦やね、決勝で勝つみたいな」 
 そうしたというのだ。
「そんな戦やね」
「その通りや、そやからな」
 芥川は綾乃に会心の笑みで応えた。
「絶対に勝つで」
「そうしてくな」
「そや、思い切って戦って」
 そしてとだ、芥川はさらに言った。
「そしてな」
「勝ってそのうえで」
「覇者になるんや」
 太平洋と地下世界の、というのだ。
「ええな」
「そういうことでな」
「やっていくで、連中はまだ北半球にも入ってへんけどな」
「今は赤道近くやな」
 この世界のそこだとだ、中里も言ってきた。
「その辺りやな」
「そや、こっちに来るのはまだまだ先や」
「その間こっちはやな」
「英気を養う、ただな」
「だれはせん」
「そのことは気をつけてな」
 そしてというのだ。
「待つで」
「ほなな」
「だれる様やったらうって出てな」
「戦に向かうか」
「だれて戦ったら負ける」
 絶対にというのだ。
「そやからな」
「そうならん様にするな」
「そうしてく、ほなな」
「ああ、まずは待とうな」
 連合が来ることをだ、こう言ってだった。
 日本は今は待っていた、戦はまだ先だがそれでも戦になることはわかっていた。その中で英気も養うのだった。


第百五十九話   完


                   2020・3・23 
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