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夢幻水滸伝

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第百五十九話 遠路を進みその六

「それでもね」
「やがてはですね」
「大きな勢力になるわ」
「そうですか」
「そう、そしてね」
「そしてとは」
「統一の後はこの世界を救うことになるけれど」
 アレンカールは考える顔で述べた。
「けれどね」
「この世界を脅かす危機って何かですね」 
 ファラが言ってきた。
「果たして」
「そう、それよ」
 アレンカールはファラにすぐに返した。
「まさにね」
「ですよね、あたいが占っても」
 占い師である自分がというのだ。
「それでもですよ」
「何かはね」
「全く出ないですからね」
「本当に何かしらね」
「全くわからないですね」
「そこが問題よ」
「ですね、この世界はあたい達が来る前は殆ど全部石になっていて」
 そしてとだ、ファラは話した。
「そしてですね」
「全部海に覆われていたのよ」
「そうなってたらしいですね」
「伝え聞くところではね」
「海の魔神がそうさせた」
「その海の魔神が何者かもわからないわ」
「魔神倒されたんですよね」 
 ファラは考える顔になって述べた。
「結局は」
「らしいけれどね」
 それでもとだ、アレンカールはマテ茶を飲みつつ話した。
「生死不明らしいわ」
「そうですか」
「これがね」
「巨人が関係あるんちゃいます?」
 こう言ったのはジオンゴだった。
「あの連中が」
「いつも急に出て来て暴れる奴等ね」
「はい、最近太平洋と地下世界には出てないですが」
「ロシアとか欧州とかに出てるらしいわね」
「どうやら、それで」
 ジオンゴはコーヒーを飲みつつ話す、彼は紅茶を飲むことが多いがこちらを飲むこともあるのだ。それで今はこちらなのだ。ストレートである。
「この世界を襲う危機は」
「巨人じゃないか」
「そうちゃいますかね」
「巨人との戦いは神話の常ね」
 アレンカールはジオンゴの話を聞いて述べた。
「まさに」
「そうですね」
「北欧神話が有名だけれど」
 この神話だけでなくというのだ。
「ケルトもギリシアもね」
「巨人との戦いがありますね」
「そう、それにね」
 アレンカールは考える顔になって話を続けた。
「他の神話も考えてみればね」
「巨人との戦いがですか」
「あるわね、中国の蚩尤もね」
 この神と黄帝の戦いもというのだ。
「ああした無茶苦茶な姿だけれど巨人ね」
「言われてみれば」
「ええ、巨大な姿していたっていうし」
 牛の頭に目が四つ、そして多くの手足を持っていたという。
「そうでしょ」
「巨人になりますね」
「そうでしょ、インド神話のラーヴァナもね」
 ラーマーヤナに出て来るこのラークシャサの王もというのだ。
「やっぱりね」
「そういえば巨人ですね」
「ええ、とにかくね」
「巨人との戦いは神話の常ですね」
「聖書にも出て来るしね」
 その巨人はというのだ。
「堕天使と人間の間から生まれた巨人ね」
「ゴリアテはその子孫でしたね」
「そう、本当に世界中の神話にね」
 まさにというのだ。 
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