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夢幻水滸伝

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第百五十九話 遠路を進みその一

                第百五十九話  遠路を進み
 アレンカールはエルドラドの中で苦い顔をして述べた。
「わかってたけれどね」
「はい、また台風に遭うとは」
「難儀なことです」
 クッツェーとファラーも困った顔で応える、見ればアレンカールのいる部屋には連合の他の星野者達もいる。
「一週間前にも遭ってです」
「今度もですから」
「船は傷むし」
 台風の豪雨と強風それで津波でとだ、アレンカールは実害の話もした。
「建物もね」
「傷んで」
「将兵も疲弊しますし」
「ほんま厄介ですね」
「どうも」
「遠路の中で台風に嵐にね」
 それにとだ、アレンカールはさらに言った。
「モンスターも出るし」
「もう悪いことばかりで」
「日本に行くまでも大変ですね」
「ええ、この状況は」
 実際にというのだ。
「厄介ね、あたし達は疲弊して」
「対する日本は、です」
 今度はホンワナが言ってきた。
「ゆうるりとです」
「待ってるわよ、あたい達をね」
「そうですね」
「敵を疲弊させることも戦略よ」
 アレンカーリはこのことをここで指摘した。
「ほんまにね」
「そやからですね」
「日本のこの戦略は正しいわ」
「うって出ずに待っている」
「それもね、下手な奇襲よりもね」
 敵を疲弊させることはというのだ。
「効果があるものよ」
「疲れさせることは」
「実際にね、あとね」
 アレンカールはマテ茶を飲みつつさらに言った、皆それぞれマテ茶やコーヒーを飲んで話をしている。
「おかしな情報にはね」
「惑わされないことですね」
「そうよ、色々出てるわね」 
 アレンカールは今度はニャメに応えた。
「ブラジルやアルゼンチンでの暴動だのケニアでのモンスター異常発生だの」
「私達を惑わせる様な」
「もうそうした話をね」
 それこそというのだ。
「日本は次から次に出してね」
「私達を不安にさせて」
 そしてというのだ。
「疲れさせようとしていますね」
「あたい達じゃなくて将兵をね」 
 千百万の彼等をというのだ。
「色々偽情報を流して」
「そうしてきていますね」
「ええ、遠い道を苦労して進んでいく中でね」
「そんなお話を聞きますと」
「惑うわね」
「そして不安になって」
「そうして疲れていくわ」
 心理的にそうなっていくというのだ。
「それも日本の狙いよ」
「向こうも考えてますね」
 ヘッドは苦い顔で述べた。
「さすものですわ」
「そう、さるものでね」
 まさにとだ、アレンカールはヘッドにも言葉を返した。
「あたい達を徹底的に疲れさせて」
「そしてですね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「その後でね」
「戦ですね」
「そうしてくるのよ、だからね」
 その為にというのだ。
「あたい達は出来るだけね」
「疲れない様にですね」
「していくことが大事よ、言っておくけれど日本は強いわ」
 アレンカールはこのことをはっきりと言った。 
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