| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百五十八話 敵を待ちその十

「背筋も曲がっておられません」
「生き方自体が」
「ある野党の女性議員は文句ばかり言ってますね」
「粗捜しばかりして」
 玲子も知っている政治家だった、元々テレビ関係者だけあってマスコミ受けはいいがネットでの評判は最悪である。
「自分に甘く他人に厳しい」
「そうした人はです」
「生き方が悪いので」
「品性も下劣ですね」
「確かにあいつは下品さがわかりますね」
 玲子もその通りだと返した。
「人相もどんどん悪くなっていますよ」
「笑顔が非常に悪いですね」
「駝鳥を不細工にして無理に歯をくっつけたみたいな」
「あれこそです」
「生き方が出ているんですね」
「聖者は聖者の顔になり」
 生き方がそうであるからだ。
「ならず者はならず者の顔になります」
「そういうことですね」
「はい、ですから」
 それ故にというのだ。
「教育と生き方で、です」
「人は決まるんですね」
「そうかと」
「ですか」
「はい、そうした意味で私は両親そして父方の祖父母にも母方の祖父母にも感謝しています」
「教育がよかったと」
「そう思い」
 それ故にというのだ。
「今も」
「そうですか」
「私は思います、それとですが」 
 喜久子はここで三人にこう言った。
「おかわりは何にしましょうか」
「食べらますか?」
「もう一枚いけますか?」
「大丈夫です」
 井伏と山本ににこりと笑って答えた。
「ですから」
「もう一枚ですか」
「食いますか」
「はい、今は海老玉でしたので」
 大阪風のそれだったからだというのだ。
「烏賊玉でしょうか」
「先輩フェアリーですから」
 玲子は喜久子の種族のことから話した。
「どうしても」
「食べる量がですね」
「少ないと思いまして」
「この世界でも食べる方で」
 それでとだ、喜久子は井伏と山本と共に驚きを隠せない顔になっている玲子に対して笑顔のまま答えた。
「ですから」
「大丈夫ですか」
「はい、でが烏賊玉を」 
 このお好み焼きをというのだ。
「頂きます」
「まあ食えるならええですが」
「それなら」
 井伏も山本もそれならと述べた。
「ほなわし等もおかわり頼みます」
「そうします」
「あたしもそうしますね、次はモダン焼きいきます」
「わしは豚肉を」
「わしは牛肉を」
 それぞれこう言って次のものを食べる、四人も今はくつろいでいる。
 幸田は蓬莱の天守閣の一つ、江戸城のそれを模したの最上階から景色を観ていた、その中でこんなことを言った。
「日本晴れっていうかな」
「いい天気だよね」
「ああ、いい天気だよな」 
 共にいる麻友に笑顔で話した。
「本当に」
「そうだね、こんな天気の時は」
 麻友は幸田に明るい笑顔でこう返した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧