夢幻水滸伝

「それかコーラじゃ」
「どっちかだね」
「こっちの世界にもあるしのう、コーラは」
「そうだね、ただね」
　玲子はコーラについてこうも言った。
「こっちの世界でもどうして造ってるんだい？」
「コーラはじゃな」
「一体」
「それはわからんのう」　
　山本は玲子の疑問に自分も首を傾げさせた、実は彼もコーラの造り方は知らないのだ。そして原材料も。
「わしも」
「わしもじゃ、あれどうして造るんじゃ」
　井伏もこう言った。
「コーラは」
「二人共知らないんだね」
「ああ、サイダーは聞いてるが」
「それでもな」
　コーラはとだ、二人で玲子に答えた。
「コーラは知らん」
「こっちの世界でもどうして造るんじゃ」
「企業に聞いても企業秘密だよ」
　それで終わるというのだ。
「謎のままだよ」
「そうじゃのう」
「本当にどうして造ってるんじゃ」
「起きた世界でも謎じゃが」
「こっちの世界でもじゃからのう」
「本当にわからないね、けれどお好み焼きにも合うからね」
　だからだというのだ。
「サイダーでもコーラでもね」
「飲むことじゃのう」
「そうじゃな」
「じゃあお好み焼き食おうね」
　サイダーかコーラを飲みつつとだ、こう話して実際にだった。
　三人は鍛錬の後でお好み焼き、大坂のものも広島のものも食べた。鉄板の上で焼きつつサイダーやコーラを飲むが。
　そこには喜久子もいてこう言った。
「美味しいですね」
「あっ、先輩お好み焼きお好きですか」
「そうでしたか」
「はい」
　井伏と山本に笑顔で答えた。
「大好物です、焼きそばもです」
「そちらもですか」
「お好きなんですか」
「粉ものが好きでして」　
　大坂のお好み焼きを食べつつにこにことして話す。
「よく食べます」
「そうでしたか」
「それはまた意外です」
「意外でしょうか」
　見れば結構な勢いで食べている、フェアリー独特の小柄な身体であるが食べる勢いは三人に負けていない。
「私がお好み焼きや焼きそばが好きということは」
「結構品のある食いものが好きっていうか」
　玲子は広島風を食べつつ喜久子に話した。
「そんなイメージありますね」
「そうですか、ですが父方の祖父は警官で」
「そうなんですか」
「父も母も特に豊かな出身でもなく」
「食べるものもですか」
「普通のもので」
　それでというのだ。
「お好み焼きも焼きそばもです」
「よく食べてますか」
「はい」
　そうだとだ、喜久子は玲子に答えた。
「そうです」
「そうでしたか」
「ちなみにおうどんも好きです」
　こちらもというのだ。
「焼きうどんも」
「あれもですか」
「好きでよく食べます」
　そうしているというのだ。