夢幻水滸伝
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第百五十七話 黄金郷その九
「やってくしかないかと」
「現実としてね」
「この戦でも」
「そうなのよね、人は食べないと死ぬわ」
アレンカールはこの現実を言葉に出した。
「この世界でもね」
「どうしてもね」
「そうですね」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「ここはね」
「現実として」
「あたいもわかっているのよ」
「エルドラドではですね」
「屯田制で食料を確保している部分が大きいから」
「そのことはですね」
「我慢してやっていくしかないわ、移動距離の長さと合わせてね」
こう言うのだった。
「もうね」
「自給自足分はやっていく」
「屯田でね」
まさにそれでというのだ。
「そういうことよ」
「左様ですね」
「そう、そして」
それでというのだ。
「時間を作ってね」
「訓練もしていきますね」
「そうするわ、それで日本とどう戦うか」
これまで自分達の問題点は話した、だがここアレンカールはこちらに話を変えてそうして語るのだった。
「そのことだけれど」
「数使うことやな」
ルルフォが言ってきた。
「もうな」
「そういうことね」
「兵の数と星のモンの数」
この二つをというのだ。
「活かしていくわよ」
「そうするしかないか」
「ええ、もうね」
アレンカールはゴーディマーに答えた。
「そう思うわ」
「戦は数か」
「もっと言えば装備も地の利もだけれど」
「そして練度やな」
「こっちはその三つがないのよ」
技術つまり装備と距離つまり地の利そして練度がというのだ。
「そやったらね」
「数を使うしかないな」
「ええ、あと幾ら遠距離を進んでも」
それでもというのだ。
「やっぱりね」
「疲れんことやな」
「そのことにも努めていきましょう」
「戦の為にやな」
「時間がかかっても」
それでもというのだ。
「疲れん様にしてね」
「そうしてやな」
「日本に行くわよ」
こう言うのだった。
「そうするわよ」
「そういうことやな、ほなや」
ゴーディマーはアレンカールの言葉ににやりと笑った、そうしてそのうえで彼に対してこの言葉を出した。
「これから楽しい進軍や」
「ええ、そういうことでね」
「行こうな」
「そうしましょう」
「艦隊のことは任せておくんや」
インペルは提督という職業からアレンカールに話した。
「もうな」
「ええ、あんたにね」
「やらせてもらう、一隻も一人もな」
それこそというのだ。
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