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夢幻水滸伝

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第百五十七話 黄金郷その八

「難儀ですね」
「他の勢力はちゃんとね」
「はい、生産者も移動要塞にいますさかい」
「あと同盟もそうなのよね」
 愛達が率いていたこの勢力もというのだ。
「実は」
「あの勢力もでしたね」
「そう、千万以上の兵がいて移動要塞もそこまで大きくないから」
 千万の兵に加えて生産者まで乗せるだけの余裕はなかったというのだ。
「武器を造る工場とかには何とか作業員を乗せられたけれど」
「農民までは、でしたね」
「無理だったからね」
 だからだというのだ。
「農業や牧業についてはね」
「屯田ですね」
「それでやっているわ、そやから訓練は」
「あまりしてなくて休養も」
 アマードも言ってきた。
「あまり、ですね」
「そう、そこが問題よ」
「ほんまにそうですね」
「休養は交代で摂ってもらうしかないわね、ただ訓練は」
 こちらはとだ、アレンカールはまた言った。
「あまりね」
「出来へんことが問題ですね」
「ええ、この辺り戦の後で考えていくべきね」
「屯田自体はええにしても」
 今度はセスペデスが言った。
「訓練が出来へんのは」
「やっぱり問題ね」
「そこが屯田制の問題ですね」
「ええ、農業とかをしてね」
「いざという時に武器を持つ」
「それ自体はええのよ」
 そうしたことをすることはというのだ。
「ほんまにね」
「そうですね」
「ただね、戦の時にね」
「訓練度が落ちますね」
「農作業とかをしている分ね」
 このことがどうしても問題だというのだ。
「普通の軍隊と比べてね」
「そうですね」
「これは地下世界もそうだったけれど」
 アレンカールはカルピスを飲みつつ言った、氷で冷えていて実に美味いが今はその味よりもであった。
「中南米もアフリカもこれからでね」
「国力の増大ですね」
「それを第一にしていてね」
「将兵もでしたね」
「そう、各地で屯田をしてね」 
 そうしてというのだ。
「やってきたから」
「国力自体は増大してますね」
「そう、軍人は体格もあるからね」
 あえてそうした者を入れているのだ、尚アレンカールは太平洋や地下世界の他の勢力と同じく軍人は志願制で集めている。安定して数を確保出来るが義務で入る為に士気に問題があり任期ですぐに除隊する徴兵制よりも志願して入るだけあり士気は高くしかも任期が終わっても残る者が多い志願制の方がいいと考えこちらにしたのだ。
「だからよ」
「それで、ですね」
「農業や漁業でもね」
「充分働いてくれますね」
「幸いこっちは内政向けの職業の人も多いし」
 星の者にというのだ。
「だからよ」
「大々的に屯田制を敷いて」
「それで国力を増大させたけれど」
 それでもというのだ。
「やっぱりね」
「それでもですね」
「ええ、軍の練度はね」
「どうしても低いですね」
「そうよ」
「そこはもう仕方ないとして」
 クッツェーがマンゴージュース飲みつつ話した。 
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