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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十九話 ワインの後でその六

「この世は美だけでなく醜もありますが」
「その醜ですね」
「醜悪と言うべき類の」
 そうしたというのだ。
「悪がです」
「そうした人達によってですね」
「為されてきました」
 それがというのだ。
「呆れたことに」
「本当に呆れたことですね」
「左様ですね」
「沢山の人を地獄に送って」
 そしてだ。
「英霊を貶め」
「慰安婦もですか」
「他にも多くの虚報も使ってです」
 誤報ではなくだ。
「悪事を為してきました」
「何か日本のマスコミとか知識人って」
 つくづく思うことだ。
「吐き気を催すというか」
「そこまでの悪をご覧になられますね」
「はい」
 僕にしてもだ。
「醜悪って言葉が相応しくて」
「邪悪と言ってもいいですね」
「死んだら餓鬼になりますね」
 その行いがあまりにも卑しくてだ。
「酷過ぎますね」
「ハンガリー動乱はご存知ですね」
「ハンガリーがソ連に反旗を翻したんですよね」
「はい、そして武力で鎮圧され」
 そしてだ。
「多くの血が流れました」
「これも酷いことですね」
「それを日本のそうした人達はどう言ったか」 
 ソ連ひいては北朝鮮に信条的に近いマスコミ関係者なり大学の教授なりだ、学校の先生でも多かった。
「ハンガリーは百姓国とです」
「言ってですか」
「罵ってです」
 そのうえでというのだ。
「ソ連の行いを正当化しました」
「それも酷いですね」
「こうしたことを言う輩がずっとです」
 それこそ戦争が終わってからというのだ。
「大手を振って歩いていました、挙句は」
「挙句はといいますと」
「これは知識人の話ではありませんが」
 こう前置きして僕に話してくれた。
「大阪の上本町のあるお店の話ですが」
「お店のですか」
「百貨店にあったゲーム関係のお店で」
 ゲームグッズを売っているお店だろうか、こうしたお店も日本にはある。
「そこの店員がオウム事件で言いました」
「ああ、それ聞いたことがあって」
 僕にしてもだ。
「知ってます」
「オウムの行いを、でしたね」
「権力に反対するのならいいって言ったんですよね」
 その店員はだ。
「テロで沢山の人が死んだのに」
「そうでした」
「殺された人の痛みとか苦しみもですね」
「その人には関係ありませんでした」
 オウムのテロが権力に反対しているから許されると言ってだ。
「当然遺族の人達の悲しみも悪質な犯罪行為も」
「よかったんですね」
「そう言い切りました」
「物凄い馬鹿ですね」
 そう言うしかなかった、その店員については。
「人の痛みや苦しみ、悲しみを全くわからないんですから」
「それを堂々と言いましたね」
「それで法律を破ってもですね」
「むしろ法律なぞなくてもです」
「いいと言いましたね」
「人の心がわからないアナーキストです」
 言うなればだ。 
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