八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百八十九話 ワインの後でその七
「この店員がいる店はこの店員を雇って数年後潰れました」
「そんな馬鹿な店員を雇う様ですと」
「親会社の出版社ごとでしたが」
「その親会社もどうかしていたんですね」
「私はそう思いました」
「ずっとそんな知識人が大手を振って歩いてですね」
「日本にはここまでの愚か者が出ました」
畑中さんは表情も声も淡々としている、だがそれだけに深い憤りを込めてそのうえで僕に話してくれた。
「私はここまでの愚か者を後にも先にも聞いたことがありません」
「そうでしょうね」
僕の畑中さんに比べるとじっと短い人生でもだ。
「人の痛みとか全くわからないって」
「どうにもならないですね」
「わかろうともしていないですね」
「そして法律がないとどうなるかも、ひいては」
僕にさらに話してくれた。
「オウムがどういった組織かもです」
「わかっていないですね」
「わかろうともしていないです」
「オウムがテロ起こしたのは」
それには目的があった、その目的はというと。
「自分達が権力を握る為でした」
「そうでしたね」
「権力に反対すると言っても」
「色々ですね」
「もっと言えば権力自体もです」
これもというのだ。
「国家のものだけではないです」
「色々ありますね」
「今問題としている知識人達も権力で」
情報と知識を持っている、それでだ。
「会社でも学校でもですね」
「部活でもですね」
「先輩も権力がありますね」
「体育会系はそうですね」
「顧問もまた」
「そうですよね」
「権力は一つではないのです」
国家減力だけではないのだ。
「そしてオウムもです」
「権力でしたね」
「尊師とやらも」
オウムの頂点にいた存在もだ。
「そうでした、権力はです」
「一つではないですね」
「そのこともわかっていない」
「考えれば考える程馬鹿な奴ですね」
「若し私が実際にその愚か者と会っていれば」
「どうされていました?」
「許されるなら切り捨てていたかも知れないです」
本気での言葉だった。
「真剣で」
「そこまでされていましたか」
「そこまでの愚か者最早生きている価値がありません」
あまりにも愚かでというのだ。
「人の痛みも苦しみもわからない、わかろうともしない」
「その他のこともあってですね」
「生きていても価値はありません」
確信しているお言葉だった。
「まさに」
「だからですね」
「はい、ですから」
「切り捨てますか」
「それが可能なら」
その時はというのだ。
「そうしていました」
「生きている価値がないですか」
「そこまで愚かなら」
「更正は」
「そこまで愚かですと」
「もう無理ですか」
「餓鬼は人になれるかといいますと」
先程の話に戻った。
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