八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百八十九話 ワインの後でその二
「ですが落ち着いてからは」
「またですね」
「行かせてもらう様になり」
「今もですか」
「楽しませてもらっています」
「そうですか」
「ただ、クリスマスが近付きますと」
この時期はというと。
「どうもあのお店から足が遠のきます」
「他のお店にですか」
「家族と共にレストランに行ったり」
「クリスマスはご家族とですか」
「そうした年もありましたし」
それにというのだ。
「同じ職場の方々と共にパーティーの年もありました」
「八条家の使用人の人達の間で、ですか」
「どちらも楽しかったです」
「クリスマスは色々ありますからね」
八条家もそれは同じだ。
「八条家自体もクリスマスパーティーしますし」
「そこにです」
「畑中さんもですか」
「お邪魔したことがあります」
「誰でも参加出来るパーティーですからね」
八条家の関係者の人ならだ。
「総帥さん主催のそれは」
「あちらに義和様もですね」
「お邪魔したことがあります」
去年はそうした、実際に。
「あれは楽しいですね」
「左様ですね」
「それであのお店は、ですか」
「はい、忘年会や新年会ではありますが」
「クリスマスの時期はですか」
「お伺いしたことはありません」
そうだったというのだ。
「どうも、そして今年は」
「どうされますか」
「家族を連れて八条家のパーティーにです」
そちらにというのだ。
「お邪魔させてもらおうと考えています」
「あちらにですね」
「曾孫達が是非にと言っていました」
「曾孫さん達がですか」
「はい、そう言っていまして」
それでというのだ。
「私もです」
「畑中さんもですね」
「そちらにお伺いします」
「そうですか」
「それで義和様はどうされますか」
「僕ですか」
「クリスマスの時は」
こう僕に聞いてきた。
「どうされますか」
「それがです」
僕は畑中さんに答えた。
「これといってです」
「決めておられないですか」
「はい」
十二月も半ばに入ったけれどだ、実は僕はクリスマスどうするか本当にまだ何も決めてはいないのだ。
「八条家のパーティーに行くにしても」
「そのこともですか」
「何もです」
これといってだ。
「決めていないです、学園の方でもパーティーしますが」
「それでもですか」
「何処に行くか」
「そうなのですね」
「本当に何もです」
「左様ですか」
「親父とお袋で三人で楽しんだ時もありますけれど」
家族で静かにけれど楽しくだ。
ページ上へ戻る