夢幻水滸伝
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第百五十六話 戦を前にしての日常その十四
「英雄やったカエサルさんかてあったやん」
「あの人は有名ですね」
「髪の毛のこと気にしてたから」
このことは有名である、戦いに勝って凱旋した時に自分の兵士達に禿の女ったらしが帰ってきたと市民を囃すのを聞いて嫌な顔をしたのだ。だが嫌な顔をしても咎めなかったことに彼の器が見られると言えるだろうか。
「それもかなり」
「そうでしたね」
「これは誰かてあるで」
実際にというのだ。
「本当に」
「そういうものですか」
「そやから」
「気にしてはですか」
「どうしてもそうなっても」
それでもというのだ。
「喜久子ちゃんの言う通りな」
「気にしない様にすることですか」
「そうやで」
「そうですか」
「ほんまにな、実はうちも」
綾乃はここでこうも言った。
「さっきお話したことと別のこともあるし」
「劣等感ですか」
「そやで、体臭も気にしてるねん」
「別に、ですが」
千歳は綾乃にこう返した。
「棟梁のお身体からは」
「それは毎日お風呂に入ってるさかい」
「それで、ですか」
「それもシャワーやなくてな」
綾乃はさらに話した。
「湯舟にも浸かって汗をかいてるねん」
「汗もですか」
「身体の悪いもんも湯舟の中で汗かいて出してな、あとお水もよく飲んでるし」
「汗をかく様に」
「それでどうも身体の悪いもんも流してくれるみたいやし」
水を飲むと、というのだ。
「それでやねん」
「お水もですか」
「よおさん飲んでるで、うちただでさえお酒ようさん飲んでるし」
「確かにそうですね」
千歳も酒のことはその通りだと答えた。
「棟梁は酒豪ですし」
「幾ら飲んでも酔わへんのは凄いかと」
美奈代もこう言った。
「ほんまに」
「ふらふらになったり二日酔いになったりせんだけで酔うことは酔うねん」
綾乃にしてもとだ、こう二人に話した。
「これでもな、それでお酒飲んだ分な」
「お水もですか」
「飲まれてますか」
「そうしてるねん、ただお酒にお水いつも飲んでると」
綾乃は苦笑いになって話した。
「おトイレもな」
「どうしてもですね」
「近くなりますね」
「そやねん、それが困ってるねん」
こう言うのだった。
「ほんまに」
「まあそれは」
「仕方ないですね」
美奈代も千歳も綾乃に笑って返した。
「お水にお酒は」
「どちらもよく飲まれるとなりますと」
「どうしてもです」
「おトイレは仕方ないかと」
「自分でもわかってるし、そこはしゃあないね」
「というかほんまに体臭は」
特にとだ、喜久子も綾乃に話した。
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