夢幻水滸伝
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第百五十六話 戦を前にしての日常その七
「そやからな」
「あいつの参戦は今の戦だけやな」
「ほんま今は猫の手も借りたい状況やからな」
それだけにというのだ。
「仕方ないんや」
「状況が状況やな」
「そういうことや」
「日本の兵は六十万しかおらんから」
綾乃はまた豆腐を食べつつ話した。
「それでやね」
「その兵の少なさがネックやからな」
「日本のな」
「それも最大の」
「それをどうするか」
「そう考えたら」
芥川は肉を箸に取った、そうして自分の碗に入れた。そうしつつ語った。
「今度の連合との戦もな」
「これからはじまる」
「この兵の少なさをどうするか」
「それがやね」
「大事や」
まさにという言葉だった。
「ほんまここからいつもはじまってるわ」
「そやね、それで今回は」
「どう戦うかな」
「芥川君考えてるやろ」
「勿論な、しかしな」
「しかし?」
「もう奇襲はやり尽くしたかもな」
芥川はとじた卵の中に一旦入れた肉を口の中に入れて食べつつ言った。霜降り肉のその味が実に美味い。
「正直」
「ほな今回は」
「もうな」
「まさかと思うけど」
「正攻法も考えてるわ」
「そうなん」
「今回敵の星のモンはアレンカール入れて四十一人」
彼等の話もした。
「これまでの相手で一番多い」
「天のモンが四人、地と人のモンがそれぞれ九人」
中里も肉を食べつつ言う。
「そこにアレンカールも入れてな」
「それで四十一人や」
「多いな」
「しかし星のモンの数はな」
「うちはもっと多いな」
「天のモンは九人、地のモンは十七人、人のモンは二十人」
「そして神星は三人や」
こう芥川に言った。
「ここにおる僕等三人や」
「連中全員に一騎打ちを向けてもや」
「かなり残るな」
「そや、神星なんてな」
「二人確実に残るな」
「それでや」
ここはというのだ。
「アレンカールの相手は同じ六将星であるな」
「僕がいくんか」
「頼めるか?」
「わかったわ」
中里は芥川の頼みに笑顔で応えた。
「ほなな」
「戦の采配は僕等が引き受けるわ」
「自分と綾乃ちゃんでか」
「それでや」
二人でというのだ。
「やらせてもらうわ」
「そうか、頼むな」
「正直今回は同盟戦と似てる部分があるわ」
芥川は中里にこうも言った。
「敵の数が多いからな」
「千百万な」
「ただ、同盟の装備はかなり昔のもんやったが」
「連合はあそこまでやないな」
「そや、南洋や中国、アメリカ程やないが」
それでもという調子の言葉だった。
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