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夢幻水滸伝

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第百五十五話 最後の一手その十一

「それだけに」
「最後で負けるとかな」
「あかんし」
「結局戦、戦術でも戦略でもな」
 そのどちらでもというのだ。
「最後の最後で負けてるとな」
「あかんね」
「項羽は最後まで劉邦に勝ってた」
 八十の戦のうち七十九勝っていたとさえ言われている、劉邦は一敗地に塗れるという言葉の通り散々に敗れたことすらあった。
「しかしな」
「あの人最後の一戦で負けて」
「それで終わったな」
「最後は劉邦さんが中国の皇帝になって」
「漢が興ったやろ」
「そう考えると」
「そや、最後の最後で負けたら」
 それまで勝ち続けていてもというのだ。
「意味がない」
「そういうことやね」
「それは僕等も同じや」
「これまで勝ってきたけど」
「この連合との戦でな」
 アレンカール率いる彼等とのそれにというのだ。
「負けたらな」
「意味がないんやね」
「この太平洋と地下世界は日本が統一せん様になる」
「ここまできて」
「そうなるのは嫌やろ、綾乃ちゃんも」
「折角ここまできたし」 
 それならとだ、綾乃は芥川に答えた。
「それやったら」
「そやろ、そやからな」
「最後の最後もやね」
「勝つで」
「絶対に」
「ここでな」
「それでその連合の兵力やが」
 中里はその話をした。
「一千万超えてるな」
「千百万や」
「同盟とさして変わらんな」
「しかも装備は同盟よりええ」
「大体起きた世界やと十八世紀位や」
 これ位だというのだ。
「中南米は産業革命直後位やが」
「アフリカはその前やったな」
「そのアフリカも中南米並の技術になった」
「アレンカールもちゃんと政してるってことやな」
「あいつもあれで政結構出来てるしな」
「その辺り他の勢力と同じやな」
 太平洋のとだ、中里は述べた。
「国を豊かにしてるか」
「正直同盟よりかなり高いと思ってええ」
「それで星のモンが四十人か」
「そや」
「強いな、確かに」
「けどやで」
 綾乃は語る芥川に異論を述べた。
「あっちは戦闘向けの職業の子もおるけど」
「政向きの星のモンも多いな」
「そやね」
「そや、しかも神星は一人や」
「アレンカール君だけやね」
「そこは僕等とちゃう」
 芥川は綾乃の指摘にその通りという顔で答えた。
「日本とはな」
「一騎打ち向きの子が少ないから」
「一騎打ちに強い奴にはな」
「こっちも一騎打ちに強い子ぶつけるけど」
「ある程度以上にな」
「一騎打ち有利に進められるし」
「しかも神星の数がちゃう」
 芥川はこのことを笑顔で指摘した。 
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