八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百八十八話 飲みに行ってその六
「まさに。ですが」
「そうした人は違いますね」
「ならず者です」
「それに他ならないですね」
まずいならまずい、口に合わないことは仕方ない。
けれどここでだ、お店の中で騒いで暴れるとだ。某料理漫画の原作者がそうらしいがはっきり言ってこの漫画の登場人物全員に言えることだが職業はどうであってもヤクザかゴロツキだと言うしかない。
「本当に」
「はい、そのお店にあったやり方があって」
「素材もですね」
「値段もです」
「それはその通りですね」
「こうした場所にあれば」
商店街の裏側だ、飲むお店が並んでいるそうした場所ではだ。
「それに相応しいです」
「お店でないとですよね」
「生活があります」
「それですね」
「生活のことがないなら」
かなり特殊な状況だと思う、それこそ。
「どういったことも出来ますが」
「趣味ですね」
「働くことが楽しくても」
「やっぱり生活がありますからね」
「それも考えてです」
働く人のそれをだ。
「お店はやっていかないといけないです」
「そうですよね」
「昔から変わらないことかと」
「ですよね、人は食べないといけないですから」
「そして狐もですね」
お店の人はここで笑ってこんなことを言ってきた。
「食べないと生きていけないですね」
「狐もですか」
「はい、狐もです」
人間だけでなくというのだ。
「どの生きものも」
「だからですか」
「はい、ですから」
「お店もですか」
「やっていかないといけないもので」
「それでこのお店もですね」
僕はお店の人が不意に狐と出したことに違和感、その狐に似たお顔を見つつ狐につままれた感じを味わいながら応えた。
「やっぱり」
「はい、ちゃんとです」
「経営をしないと暮らしていけないので」
「ご飯を食べられないので」
だからだというのだ。
「当店はです」
「こうした場所のお店の経営ですね」
「適度に美味しくです」
「適度に安いですか」
「そうしたお店を考えていて」
そしてというのだ。
「やっています」
「そういうことですか」
「左様です、ただ」
「ただ?」
「その中で最大限の努力はです」
これはというのだ。
「一つ一つにしているつもりです」
「お料理にですか」
「はい、出来るだけ」
「それで美味しいものをですか」
「お出しする様にしています」
「そうなんですね」
「それとです」
「それと?」
「お店の雰囲気も」
味だけでなくというのだ。
「こちらも楽しんで頂ける様にです」
「されていますか」
「そのつもりです」
「そうですか」
「はい」
こうもお話してくれた。
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