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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十八話 飲みに行ってその三

「そのつもりです」
「そうですか」
「こちらも」
「そうなんですね」
「では他のものも」
「頂きます」
 僕は枝豆を食べつつ頷いた、そしてだった。
 枝豆の他にも冷奴も出し巻玉子もたこわさも食べた、そうしてメインの一つであるお刺身も食べたが。
 かなり新鮮だった、それで思わず言った。
「値段の割には」
「いいですか」
「はい、この味は」
「これもです」
 それもというのだ。
「冷凍のもので」
「それで、ですか」
「普通のものです」
 食材の質はというのだ。
「ですから」
「特別なものじゃないことはですか」
「はい、ご承知下さい」
「この味で」
「ですから素材の質はです」
「普通ですか」
「ですが値段だけの」
 まさにそれだけのというのだ。
「質には最低限にもなる様にです」
「作られているんですね」
「そうです」
 こう僕に話してくれた。
「勿論他のものもですよ」
「お刺身の後に出て来るものもですか」
「左様です」
「じゃあ」
 ここで白ワインを飲んだ、さっきから何口も飲んでいるそれを。
「これもですね」
「はい、値段だけのものをです」
「出してくれていますか」
「左様です」
 そうだというのだ。
「こちらも」
「そうなんですね」
「値段だけのものを出す」 
 それがというのだ。
「うちの店の考えです」
「そうですか」
「昔から」 
 まさにというのだ。
「そうした考えです」
「だからですか」
「はい、こうしてです」
「お酒もですね」
「お料理も」
 こちらもというのだ。
「左様です」
「そうですか、ただ」 
 僕はお刺身を食べつつさらに言った、鮪も鮭もハマチも美味しい。
「僕が思いますに」
「値段以上にですか」
「美味しいですけれど」
「左様ですか」
「冷凍ものには思えないですし」
「そして養殖ものです」
 天然でなくというのだ。
「そちらです」
「そうですか」
「ですから決してです」
 素材はというのだ。
「いいものではないです」
「普通のものですか」
「はい」
 まさにというのだ。 
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