夢幻水滸伝
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第百五十四話 同盟軍崩壊その三
「ここはじゃ」
「このままですか」
「進むけえ」
こう言ってだ、そのうえで。
碧は芥川が姿を消してもそれでも前に進んでいた、そのうえで隕石を放ち続けるがこの時にだった。
放つ隕石を見て言った。
「いたのう」
「芥川さんが」
「姿を消しても音はするけえ」
「はい、それは」
実際にとだ、兎も答えた。
「目と耳は別ですし」
「そうじゃ、姿を消してもじゃ」
それでもというのだ。
「音は消せんけえ、若しそれを消しても」
「ご主人の耳には」
「そして使おうと思えば」
碧はさらに言った。
「わらわは超音波も出せる」
「蝙蝠の様に」
「それも出来るけえ」
「若し見えずとも」
「超音波の反応で」
それでというのだ。
「わかるけえ」
「相手の場所が」
「だからけえ」
それ故にというのだ。
「相手の場所がわかるが」
「それで、ですか」
「音が聞こえたわ」
隕石を放ったその中でだ。
「何かが動いた音が」
「そしてその音の主は」
「そこじゃ!」
碧は左を向くとその瞬間にだった。
そちらに爪を向けて切り裂いた、そこに何かがいると感じ取っていた。そうしてそのうえで攻撃を仕掛けたのだが。
何もいなかった、それで驚いて動きを止めた。
「なっ、いない!?」
「これは」
兎も驚きの声をあげた。
「一体」
「どういうことじゃ」
「わかりません、ご主人は今」
「確かにじゃ」
「音をですね」
「聴いたわ」
その耳にというのだ。
「そうしたが」
「そうですね、では」
「これは」
「今から種明かしをするわ」
芥川の声がした、そしてだった。
芥川は碧の後ろに出て彼女の喉元に大通連刀の刃を当てた、そうして言うのだった。
「ええか」
「ここでわらわが動くとじゃな」
「わかるやろ、こうなったらや」
「勝敗は決したわ」
「そやな」
まさにというのだ。
「それで種明かしをする」
「そういうことやな」
「それでや」
だからだというのだ。
「ここはや」
「種明かしをするんじゃな」
「さっきのな、まず僕は姿を消した」
煙玉、それを使ってというのだ。
「そして最低限の動きで隕石をかわしてた」
「そうしていたけえ」
「大きな動きはせんと」
それでというのだ。
「そうしてだ」
「最低限の動きじゃと音もあまり出んけえな」
「それでそうしてや」
そしてというのだ。
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