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夢幻水滸伝

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第百五十四話 同盟軍崩壊その一

               第百五十四話  同盟軍崩壊
 芥川と碧の一騎打ちは続いていた、碧はただ剣や術を使うだけでなくその職業である野生児独特の獣やモンスターの力も使っていた。
 そうして芥川と闘っている、その彼女に対して芥川は言った。
「ほんま獣やモンスターともな」
「遜色ないんじゃな」
「そう思うわ」
「野生児は無限に強くなれるんじゃ」 
 碧は芥川に笑って話した。
「それこそ」
「獣やモンスターの中に入って共に暮らしてその力を学んで得る」
「それが出来るからじゃけえ」
「無限に強くなれるな」
「他にはジオンゴ君がそうじゃ」
「ケニアのな」
「あの子は星の中で一番弱いと思われてるが」
 それがというのだ。
「それがじゃ」
「やがてはな」
「どんどん強くなってじゃ」
 獣やモンスターの力を備えていってというのだ。
「そしてじゃ」
「物凄く強くなるな」
「あの子はそうした子じゃ、そして」
「自分もやな」
「わらわの強さは野生児の中でもじゃ」
 それこそというのだ。
「今の時点で特に強いけえ」
「それでやな」
「あんたにも勝てるけえ」
「そう言うな」
「実際うちのご主人努力家でして」
 兎がここでまた芥川に話してきた。
「これまで暇があったら地下世界の獣ヶ原にも入って」
「地下世界にもあったな」
「はい、ケニア上空の浮島にもありますが」
「あそこにもやな」
「ありまして」 
「そこで暇があるとか」
「獣やモンスター達の中に入ってその力学んでいるんですよ」
 あらゆる種類の獣やモンスター達が集まるそこに行ってというのだ。
「そうしているんです」
「成程な」
「それで実際獣ヶ原に出て来る獣やモンスターの殆どの力を備える様になっていて」
「その分強いな」
「そうなんです」
「そうじゃけえ、だからあんたにも負けんわ」
 碧は芥川に不敵な笑みで返した。
「それはな」
「そう言うんやな」
「そうじゃけえ、勝った後は式と初夜じゃ」
「そのこと聞いて絶対に勝つって思うわ」
「むっ、わらわの顔か女子力かその両方に不満があるのか」
「その発言に不満があるんや」
 別に顔や女子力にはないともだ、芥川は返した。
「思いきりな」
「接吻どころか手をつないだこともない生粋の処女じゃけえ」
「それを自分で言ってや」
 そしてというのだ。
「積極的に迫るのがあかんのや」
「はっきり言ってよいじゃろう」
「よおないわ、そうした話は最低でも高校を出てからや」
 もっと言えば就職してからだ。
「それからや」
「そうじゃけえ」
「そや、そんな式とか初夜とかな」
 そうした話はというのだ。
「聞くと引くわ」
「そうじゃからっていうんじゃな」
「そや、とにかくや」
 芥川は身構えつつ言った。
「これから自分に勝つ」
「そうするけえ」
「そや、覚悟はええな」
 こう言ってだ、そしてだった。
 芥川は身構えてだ、そのうえで。 
 目を爛々と輝かせ自分に向かって来る、ベヒーモスの動きでそうしてくる碧を見た。碧は両手の爪をそのモンスターのものにさせ。
 隕石を放ちつつ兎と共に突っ込んできた、勝敗を決しようとしてきているのは明かだった。その彼女を見て九尾の狐は自分が乗せている主に言った。 
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